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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
天体編
52/117

12・世界で最初の星、って

12・世界で最初の星、って


水素原子核ふたつが、エネルギー障壁を越えて接触し、核融合を起こして、ひとつにまとまった。


これがよく耳にする「太陽は、水素同士の核融合でヘリウムをつくり、そのエネルギーで熱く燃えさかる」というメカニズムだが、正確には少し違う。


水素原子核、すなわち陽子ふたつが核融合でひとつになると、片方の陽子はベータ崩壊を起こして中性子※1となり、残った陽子とくっついて「重水素」原子核になるのだ。


元素は、陽子の数のみで名称を決定され、陽子がひとつなら、中性子を原子核内に何個含んでいようと「水素」と名乗る。


そして中性子は、原子核内にわりとテキトーな個数が含まれる。


多くの陽子を原子核内に同居させる(つまり原子量が大きな)元素がこれ以降に現れるが、陽子たちが+電荷同士でケンカしないように、電荷のない中性子は緩衝材としてすき間に詰め込まれるんだ。


そして、そんな原子核ユニットの周囲を電子がめぐると、晴れて原子となるわけだ。


電子の数はというと、これまた原子核内の陽子の数のみによって決定される。


こうすることで、原子核内の+電荷と、周回する電子の-電荷が相殺されて中性を保ち、安定した形を取ることができる。


話はそれたが、陽子と中性子が1対1で同居する重水素原子核ができたんだった。


さらに、重水素原子核が、別の陽子・・・つまり水素原子核にぶつかって核融合を起こす。


ここで晴れて「ヘリウム3」に昇格することができる。


が、ヘリウムは陽子ふたつと中性子ふたつの「ヘリウム4」になって安定なので、もう一度核融合を進めたい。


ここでなんとヘリウム3は、同じヘリウム3とぶつかり合い、陽子2・中性子2の構成ユニットをつくりつつ、メンバーのセレクションから外れたふたつの陽子を吐き出して、ようやくヘリウム4の姿になる。※2


なんとめんどくさい手順だろう。


しかし、こうして次から次へと核融合が起き、巨大ガス塊は圧力による収縮と釣り合いを取るように中心部からエネルギーを発し、つまり内側からふくらむ力を発揮しはじめ、天体全体が輝いて、ファーストスター、つまり宇宙最初期の太陽が出来上がる。。


つづく


※1 陽子⇄中性子が姿を変えるベータ崩壊には、電荷の問題から電子やニュートリノ、さらにそれらの反物質が関わってくるが、ここでは割愛する。


※2 ヘリウム4はとても重要な原子で、核融合、核分裂、放射性崩壊など、あらゆる状況で立ち現れる大忙しさんなので、特別に「アルファ粒子」という別名を与えられてる

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