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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
天体編
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9・原子から分子に、って

9・原子から分子に、って


物質をつくるには、+電荷の陽子だけじゃ絶対ムリだった。


だって、陽子同士お互いに結びつこうったって、近づけば近づくだけはじき合ってしまうんだから。


触れ合うなんて、ほぼムリ!※1


結局、陽子たちは宇宙空間中にくまなく展開しながら、隣近所のご同類と反目し合い、それぞれに断固として孤立を貫きつづけるしかなかった。


ところがなんという幸運か、陽子は−電荷の電子を自分の引力圏に引き込むことに成功したんだ。※2


これならふたりでプラマイゼロ・・・セットで中性のテイを取ることができる。


引力も斥力(はじく力)も完全に相殺され、今やあらゆるくびきから解放されたフリーランス状態だ。


こうなると、これまでクーロン斥力の影響の裏で存在感の薄かった万有引力、すなわち「質量を持つもの同士は引き合う」法則が効力を発揮しはじめる。


陽子いっこと電子いっこが結び合った水素原子は、お隣の同じく水素原子を引き寄せ、同時に引き寄せられ、距離の逆二乗則に従って、近づけば近づくほど引き合うわけだ。


ちょん・・・


ふたつの水素原子は、ついに触れ合う。


触れ合った途端に、こっちの電子はあっちの陽子の引力圏に捕らえられ、こっちの陽子はあっちの電子を引力圏に捕らえ、一体化する。


ぺたーん!


なんという精妙な引力の絡み合い。


陽子ふたつと電子ふたつが、あっちの子とこっちの子とで両手をつなぎ合う、平和極まるダブルデート状態だ。


ふたつの水素原子は、チームとしてひとつになった。


すなわち、「水素分子」の誕生だ。


つづく


※1 実はムリでもない。核融合という手がある。


※2 陽子が電子の波動の中に抱え込まれた、と見ることもできる。質量比で1800対1という体格差がある陽子と電子だけど、力関係においては「+1」と「-1」とでまったく対等だ。

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