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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
天体編
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7・物質の誕生、って

7・物質の誕生、って


ビッグバンによって、特異点から素粒子とともにとんでもない熱が放出され、膨張をつづける宇宙空間に拡散していく。


超高温下では、電子は激しく震えてプラズマ状態※1をつくり出し、要するに電子レンジの中のような大暴れをして光の直進を妨げる。


「光」とは、光子という素粒子が収縮して位置を取ったやつの航跡の、ぼくら観測者サイドの脳内における見え方だ。


が、この頃の光は少し様相が違ったようだ。


ビッグバン直後の煮えたぎった光のスープは、この航跡が電子とこんがらかった状態なんだ。


それを観測者は、「光がつくりだす曇り空」という矛盾したデッサンしかできない。


こんがらかりすぎて、光の波を検出することができないから、曇り空というわけだ。※2


しかし、スペースが広大になるにつれて光の波長は間延びし、電子は落ち着き、温度は下がり、プラズマ状態がそろそろ解消されつつある38万年後、という頃合い。


ついに光は電子から放免され、直進を開始し、すっきりと晴れ上がった宇宙空間をつくりだす。


これをわれわれ観測者は、そのまま「宇宙の晴れ上がり」事件と呼ぶ。


光がもつれ合いから解放されたということは、すなわち、電子側も自由を獲得したことを意味する。


ぼくら人類は、このイベントに興奮すべきだろう。


なぜなら、宇宙空間に、陽子と電子が出会う舞台が整ったのだから。


こうして、+1電荷を持つ陽子は、-1電荷という奇跡の相性を持つ電子と、運命的に結ばれるに至った。


この世界で最初の物質となる「水素」が誕生した瞬間だ!


つづく


※1 逆かな。プラズマ状態が電子を振動させて陽子から剥ぎ取る(電離)、という順序の方が自然かも。


※2 138億光年先にある138億年前の光景を見たいがために、人類は遠くまで見える望遠鏡をつくる努力を重ねるが、ビッグバン直後の光、すなわち最初期の宇宙の姿は、素粒子たち(場)がごちゃごちゃに入り組んでることから、カオスとしてしか見ることができない。そこで、光子の波とは別ものである重力の波、すなわち「重力波」を捉えてその頃の様子をのぞき見ようとしてるのが、最新の宇宙物理工学なんである。ビッグバンの特異点は、以降に宇宙中の物質を構築する全質量の塊なので、とてつもない重力を持っており、検出するにはおあつらえ向きなのだ。

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