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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
天体編
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6・宇宙の大構造、って

6・宇宙の大構造、って


ぼくらの物質世界は、ぼくらの観測によって成立してる。


思慮深き量子力学が描く(ぼくらの世界の裏に隠れた)実相の世界は「無」みたいなものであり、マボロシのような「場」の交差であり、その綾たる相互作用をぼくが「観測」することによってぼくの脳内に世界が立ち上がる・・・という層構造になってるんだった。


とにかくこの世界は、ぼくらが「見る」ことによってはじめて、物質としての形を獲得するのだ、とそろそろ納得しようではないか。


というわけで、できたての宇宙空間に展開する、おびただしい陽子群だ。


(観測上の現象として)膨張をつづける宇宙空間に、碁盤の目のような区画を引いてみる。


そのひとつひとつのエリアに、ひとつひとつの陽子がきれいに並んでる。


インフレーションによって発生した最初期世界は、無限に小さく、無限の圧力に満たされていたため、素粒子は超絶正確な隊伍に整列(エントロピー最小状態)させられた。


万有引力による全方向がんじがらめの上に、陽子の持つ+電荷がお互いを斥力で遠ざけようとするため、この方陣は永遠に乱れることがない・・・はずだ。


ところが、その裏側に控える量子場では、素粒子たちが波間に浮かぶうたかたのようにかつ消えかつ結びて久しくとどまりたるためしなし。※1


引かれた方眼のバックヤードで起こってるのは、不確定な出現確率であり、コヒーレントなもつれと重ね合わせであり、要するに素粒子たちの気まぐれによって、わずかながらも激しい揺らぎが発生するんである。


こうして、万有引力と電荷の斥力の均衡を破って不安定になった隊伍は、たぶんファンデルワース力※2なんかによって密度の偏りを増幅させ、あっちで固まりをつくり、こっちでスカスカの部分をつくり、やがて大きなチーム同志に分かれ、対抗戦のような宇宙の大構造をつくっていく。


さあ、そこでついに現れるのが、電子だ!


うわはー、世界が形づくられていく予感がしてこないか?


つづく


※1 「方丈記・鴨長明」は、動的平衡の古典表現。


※2 電荷が偏ると、その偏りを修正しようとするカウンターの電荷の振る舞いが発生するせいで、余計に電荷が偏ってく感じのやつ。

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