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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
天体編
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4・わかりやすく、ったって

4・わかりやすく、ったって


よめはんが「じぇんじぇんわからにゃい」「ねむくなった」と言うんだけど、そうだろうなと思うので、もう少し噛み砕いて説明を試みるものなり。


というわけで、ビッグバンに先立つインフレーションでできたのは「現世」という針の先ほどの穴で、その一点に突如として、素粒子を生み出す量子場が折り畳まれ、充填されたのだった。


量子場には、質量というエネルギーがみなぎり渡ってるんで、それのつくり出す重力が出来たての小さな小さなピンポイントの位置情報をゆがめ、世界の容積を膨張させていく。


そしてついにビッグバンがポンと爆ぜるわけだが、ここで魔法のカーペットたる量子場がひろげられる。


生まれたての宇宙空間全体に、ミストの噴出口のような量子場がすみからすみまで張りめぐらされて、いつどの位置から素粒子が出現しても不思議でないつくりとなった。


その出現確率こそが「波動関数」というやつで、波を打った関数のピークから素粒子は(反素粒子と対となって)吐き出されるが、ピークでない場所から不意に吐き出されることもある(なにしろ確率なもので)。


かくも量子とは、われわれ人類には抽象的に思えるからくりなんだが、こいつをどう観測して概念化するかで、受け取る側にとっての世界の形は変わってくる。


たまたまわれわれ人類の感覚受容と神経系はこれを「時間と三次元空間」と解釈し、クォーク場とグルーオン場の相互作用を「物質」ととらえて、目に見え、手に触れられるように機能を進化させたわけだ。


ところがそのバックヤードにまわると、舞台上で目に見えてたものは、一箇所に偏った素粒子の塊にエネルギーがどう吸収されて反射されてるかの道すじを感覚器がどう受け取るかの問題であり、その手に触れて実体と思えてたものは、手に取ったものの素粒子間の電磁気力と自分の手の平の持つ電磁気力との間に発生する反発力の問題であったのだ、とわかる。


要するに人類は、「量子場の振る舞いを感知できるように自分サイドの感覚機能を操作した」のであり、したがって脳内に立ち上がるその世界は、自分だけが感じ取れる(あるいは勝手につくり上げてる)幻想なんだった。


さて、出来たての宇宙空間に戻るが、そんな量子場が・・・まだ誰にも観測されることなく、解釈をされたこともない、実体を伴わない素粒子たち(波動関数の波)の大集団が、のちに人類が宇宙空間と呼ぶことになる幻想界に、広々と展開をはじめたんであった。


・・・やはりじぇんじぇんわからにゃいか・・・


つづく

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