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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
天体編
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3・量子場の展開って

3・量子場の展開って


ひろがりつづける宇宙空間に、おびただしい陽子が大展開・・・と、われわれ人類の感覚器は情報を受容し、脳機能で描写(解釈)するが、実際の画づらはどういうものなんだろう?


最先端の科学が言うところでは、インフレーションの特異点の中にあらかじめまるめられ、宇宙開闢の際にひろげられたのは、量子場だ。


つまり、はたくと素粒子を飛び出させる、実体のない魔法のカーペットだ。


クォーク場、グルーオン場、ヒッグス場にボソン場に電磁場にグラビトン場・・・様々な素粒子と「力」を生成・消滅させるカーペットが、三次元の綾として時空間内に織り込まれ、多様な相互作用を起こすことで、物質世界が築かれていくわけだ。


誕生したての時空間には、まだ物質は存在していない。


場の正確な方眼に区切られた各エリアに、ひとつひとつの素粒子を生み出す波動関数のピークが設定されてるだけだ。


が、このおびただしい関数が炸裂することで、きれいに目のそろったハニカム構造のような陽子の隊伍が組み上がる。


この最初期の状況が、エントロピーの最小値の姿と言える。


さて、タテ・ヨコ・奥行きに一定の距離を置き、一様に並んだ隊伍は、空間膨張の勢いに乗って展開しても、なにも仕事はできないはずだった。


同じ比較距離のまま相似形にひろがり、散開し、遠い未来には離れ離れになるはずだった。


どのタイミングでも物質は構成されず、天体は形づくられず、生命も永遠に生まれ得ないはずだった。


が、幸運なことに量子とは、もつれ、重なり、揺らぎ、ラプラスの悪魔※1を笑いのめす「確率論」の存在だ。


そんな確率が、われわれの宇宙をつくった。


つまり、各自に放射状に進むはずの陽子たち・・・すなわち水素原子核たちだが、お互いに離れ合いつつも、どこかにおいてはくっつき合うという可能性、すなわち確率も持ち合わせてたのだ。


つづく


※1 質量、位置、方向と速度の初期値が未来を決定づける、という運命論。

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