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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
天体編
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1・ビッグバン直後って

1・ビッグバン直後って


ビッグバンが起きて、すさまじい高温の「点」から素粒子が・・・ここではクォーク(物質の種)とグルーオン(クォーク同士を接着する係)が飛び出したんだった。


さらにヒッグス粒子がこれらと相互作用して質量を与えると、相対論(重力理論)的な時空間がゆがみまくる。※2


そんな特異点のゆがみそのものが「未来へ向かう時間の一方通行ベクトル」をともなう「宇宙空間のひろがり」となって、シン世界を耕しはじめる。


宇宙の創生、ってわけ。


さて、膨張を開始した直後の小さな小さな宇宙空間は、煮えたぎる素粒子のスープだ。


超高温で、超高密度。


だけどここで「温度が高い」と表現する事象は、もちろん空気があたためられてアチーということじゃない。※3


波動関数の弦がギンギンに震えまくって、時空間が途方もないエネルギー塊になってる、って意味だ。


その中で、おびただしい素粒子が反素粒子と対になって生成されたり消滅したりしてる。


ところが、ここで鏡映しになるはずの(パリティ)対称性は、「弱い力(粒子を崩壊させる)」によって破られるようだ。


素粒子は、各自に右巻き、左巻きという「スピン」なる性質を持ってるんだけど、弱い力には好みがあって、この両方を均等に扱うというリベラルさに欠けてるんだな。


その結果、世界に運命づけられたはずの「物質と反物質とはピッタシ同数で」「どちらか片方のみが世界に居残ることはできず」「したがって生成されたすべての素粒子は必ず対となって消滅し」「原理的に宇宙は永遠に無の状態である」という約束ごとが破られたんだ。


かくて、100億個に1個という割り合いで物質がこちらサイドに取り残され(物質100億個のうちの99億9999万9999個は、反物質99億9999万9999個と反応して消えてしまい、残りの1個が物質世界を構成しはじめた)、晴れて「形ある世界」が誕生する運びとなるんである。


計算違いで渡されるおつりの小銭を集めたら、チリツモで家が建った、ってところか。


つづく


※1 そもそも、世界を説明する各解釈に「真実性」を獲得したものなどない。


※2 重力とは、相対性理論によれば、質量の周囲の時空間がゆがむ、という現象だ。


※3 空気そのものがまだないので。

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