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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
物質編
16/117

16・分子って

16・分子って


まったく精妙なことに、こんなスカスカな波の重なり合いがひとつのパーツとなり、それがたくさん集まって、ぼくらの住む物質世界を構築してくれる。


波同士が精密なパズルのように組み合うことで、いよいよ本当に「つぶ」の体をなしはじめるんだ。


原子の中央に位置する原子核は、陽子が一個で「水素」原子核、二個で「ヘリウム」、六個で「炭素」、八個で「酸素」、二十六個で「鉄」・・・という具合いに、まったく別の性質を獲得する。


ここに陽子と同数の電子が飛び込めば、各種「元素」の誕生だ。※1


原子核の周囲に展開する電子は、他の原子と手をつなぎ(というよりも、電子そのものが手の役割りをする))、「分子」を形成する。


陽子と電子の勘定が合わない分子は、イオン化して電荷の勾配をつくり、他の分子と酸化・還元という化学反応を起こす。


物質に酸性やアルカリ性という、さらなる複雑な性質を持たせるんだ。


分子の振動は、氷から液体、そして水蒸気という相転移にまで関係してくる。


これらは結局、素粒子が「つぶ」だと起こりえないような現象だ。


波のうねりが共鳴し合って、1+1は2よりも大きな創発を引き起こすわけだ。


分子の間に起こるあらゆる現象は・・・すなわち、この世界で起きる一切の出来事は、素粒子たちが持つ電磁気力、グルーオンの引きつけ力、万有引力※2、そして崩壊の力※3・・・の四つのみで説明できる。


この世界におけるいちばん小さなパーツが「波」という融通無碍な存在だからこそ、お互いに絡み合い、交わり合い、はじき合い、打ち消し合い、同化し合い、反応し合って、こんなにも豊かな光景(まさしくこの言葉通りだ)をつくり出すんだね。


つづく


※1 原子核には中性子も含まれるが、この中性の核子の数はわりとテキトーだ。


※2 「グラビトン」という素粒子の介在で、質量を持つもの同士は引っ張り合う。


※3 ベータ崩壊はちょっとだけ説明したが、「ボソン」系の素粒子が仕事をする。

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