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ぱんけーきイズでっど  作者: アラタオワリ
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# スイートルームでパンケーキを(4)

 部屋は低周波な電子ノイズが満ちて響いている。

息子からの母への返事はなかった。

「フウ、こら、帰ったぞ、お帰りなさいはどうした」

零香はリビングのソファーにバッグを投げて、奥に入っていく。歩きながら後ろを振り向き菓乃について来るように顎で奥へと促す。

マリコは零香の存在に気を掛ける様子もなく、生命維持装置に繋がれたフウの細い腕に点滴をする準備をしていた。

「マリコ、お医者さんを呼んで」

「わたくしは医者です」

「・・・・」

「自発呼吸あり。心電図も異常なし。脳波はまだ僅か反応あり。

生きています。

何か?」

「何よ、その冷静さは? 母親への説明じゃないわよ」

「わたくしはフウ様の覚悟に対して、粛々と計画をお手伝いするだけです」

「医療に携わる者が死に対してそういう態度とは」

「そう言う態度とは? 」

「いいわ」

訝しげに答えるマリコに対して零香は深呼吸をして気分を落ち着かせてから続けた。

「親の言うことを聞きもせずに生意気よ」

「親子としての関係を持ち出す。理解もできますが、人類におけるフウ様の存在理由。その価値基準であなたとは比べるなど。失礼なのです。

肉体を捨てアンドロイドにフウ様の魂をスライド帯同させるポッド。始まりは大人たちの都合でした。勝手過ぎて滑稽でした。

今更な父親は」

零香は落ち着いていつも通りのマリコを受け入れていた。

「見てたのね。元旦那はどんな感じに見えたかしら」

「お話に聞いていた程にダメな人間には見えませんでした。ただ・・・・」

「言わないで。

大人たちって・・・ということでしょう。

仕方ないじゃない、親なんだから先に子供に死んでほしくないのよ。

新しい神としての永遠の命だとか・・・・クソよ」

「それも今更ですね。

まあ、いいのです。私もフウ様の肉体が好きですから」

「あんた誤解されるわよ」


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