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ぱんけーきイズでっど  作者: アラタオワリ
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# メアの尊厳(4)

 KZもメアの口元の動きと声のズレから違和感を受けていた。

「父さん、なんかハウリングのような音がするんだけど」

「電波の混線かもしれんな。

それよりも、親子の大事な話だ。俺は父親らしいことをしたいんだ」

「気のせいかな」

今度は先ほどの粗暴なふるまいとはうって変わった様子で手を握って来た。

「父親としてなんでもするぞ」

「まあ、そこまで言うのなら、シーウエイブ社のシステムを少しでも使わせてほしい」

メアは悩みながら動き回る。

「海上は許さんだろうな」

短いスカートを舞わせながら少し不安を口にした。

「そっちは、隠れていろいろ『NSL』をハッキングしているくせに」

「否そんなことはない。出来るはずがない」

「さっき言った父親の言葉を信じて会話をしているのに、噓を言うの? 」

「本当さ。俺は知らん。名ばかりの取締役で、近頃では本部の方針は事後報告ばかりさ。

『きもちラボ』だって俺は門外漢。下っ端仕事をしているだけさ。

パティシエを集めるのだって大変なのに、より負荷が掛かるシステムに強引に切り替えてさ。破綻も時間の問題だった。

だが、お前への罪滅ぼしがシー・ウエイブ側の脆弱性を解決することになって、健全な循環で機能するプラットフォームを構築出来るかもしれん。そうすれば、パティシエを誘拐するなんて非人道的な行為は止められるし、取締役会で上のやつらを糾弾して追い出せる。

任せてくれ」

「いいの? 世話になっている人を裏切ることになるんだよ。大ごとにしなくても僕は十分だよ。ある程度なら、ファスビンダーさんが交渉の助けを」

「うるさい。これ以上、悔やむような行動を俺にさせるな。

父親としてのプライドを汚させないでくれ・・・・」

KZは何かを再び感じたのか尋ねた。

「どうしたの、微細な電気信号の擦れがあったような。否な予感がする。

ヒミ、君は少し離れていて」

「一緒に居たいけど。仮想の世界だから、実際に死ぬってことはないでしょ」

「死ぬよ」

「え? 」

「あ、ごめん嘘だよ、でもちょっとコンピューターがショートしたりした際に痛みが伴う場合もあるだろうから。念の為だよ」

「うん。あ、虹色・・・・」

ヒミの視線の先にはピアスが揺れていた。

「なんか、ちょっと首が痛いな。」

メアが突然、膝をガクッと落とした。


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