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ぱんけーきイズでっど  作者: アラタオワリ
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# メアの尊厳(3)

 「でもね、残念ながらこのシステムも『SLIDER』を対処しないと未解決に変わりない。安定する効果があるコードはまだ手に入っていないんだよ」

メアはピアスを触り、シーウエイブのサーバーに解析をリクエストした。数秒経ってピアスが白く光る。

「まさか、お前自身を犠牲に維持するシステムなのか。魂をメタバースに奪われているようなものだろ」

「奪われるという感覚は無くて、上手に魂の受容体を利用していると考えていたのだけれど、数字の引力がこんなにも強かったとはね。気が付いたら脳の炎症反応だけではなくて、身体のいたるところの細胞のDNA複製時時に『SLIDER』のプログラムコードの規則性がコピーされて自壊する症状が広がっている」

「元を正せば、父さんと母さんの研究なのか・・・・」

「小さい時からだもの。ボロボロだね。

あ、恨んではいないよ。地球人の中で唯一無二の存在に導いてくれたんだから。

光栄なのさ」

「死ぬことがか? 」

「違うよ。転生するってこと。仮想世界で数字の生命体として生きていくなんてさ」

メアは怒ってKZの頬をグイっと掴んだ。

「ふざけるんじゃねえぞ」

「ウァッ、痛っ」

メアは呻くと同時に手を放した。

「あ、イカン。ごめんなさい、つい蹴ってしまった」

ヒミは頭を掻きながらチョコンと下げて謝った。

「なんだよ。メイド服は可愛いのに零香みたいな奴だな」

ヒミはそれが悪口であると分かってはいたが、嬉しい気持ちが勝っていた。

メアは脛を摩りながら息子にとっての最善を探りながら話しを続けた。

「兎に角だ、そんな異世界の実現なんて馬鹿げている。生体ありきの魂の腰掛けでさえ狂っているのに。仮に可能だとしても、このクラスのメタバースでは天文学的なスイーツコード、つまり、今以上のパティシエを投入しなければならない。

そうだ、お前と零香が俺のところに戻って来るのならば、汚れ仕事はシー・ウエイブが請け負ってもいいぞ」

「それは嫌だ。お母さんが暴れるのが目に見えるよ。別の方法があるから大丈夫」

「何を言ってやがる。お互い、ずっとそれを探し求めているけど見つからないじゃないか。

うん?

解明できたのか」

「魂に帰ればよかったの。進化を信じてね。ただそのためには自然界のある仕掛けを使う」

「なんだよ、それは」

「ボクはさなぎになる」

「アぁ? 」

「すべてをドロドロに溶かしてプログラムを再構築させて羽化したKZは舞うの」

「舞うウウウ?

その前に、蛹ってなんだアアア」

メアは考えが及ばずメイド少女にすがるように問うと、彼女は自然な様子のまま答えた。

「菓乃のパンケーキでしょ」

KZは手を叩いて喜んだ。

「アハハ、流石です。あの日、暗闇で食べた記憶を甦らせて、『SLIDER』の欠けた原点のコードをボクの魂を経てアップデートするんだ」

ヒミは怪訝な顔でメアのピアスを見つめながら呟く。

「あれ、白くない。

さっきと違う虹色で光った」


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