天使がいる!
幼少期、ふたりの出会いについて、少し書いていきたいと思います。
ここで、私の幼少期、ユーリとの出会いについて話したいと思う。
私は、小さいころから、本ばかり読んでいた。
10歳上の兄、王太子のルイや、9歳上の姉、第一王女のカレナとは年が離れていて、あまり遊んでもらえなかった。二人は忙しかったから。
といっても、たまに会うと、めちゃくちゃ、かまわれる。その愛情は両親よりも重く、暑苦しいくらいだ。
本好きと知るや、二人は会えない分、やたらと本をくれた。
私の本好きが加速したのはしょうがないだろう。
そんな時、ひきあわされたのが、ユーリだ。
私が5歳、ユーリが13歳のとき。
私の母である王妃が、友達もいず、本ばかり読んでいる私を心配して、親友の公爵夫人にたのんだのだ。
思えば、家柄からも最初から婚約者候補だったのだろう。
最初に、ユーリを見たときは驚いた。見たこともないような、きれいな子どもだったから。
肩にたらした金髪の髪はさらさらで、中性的な雰囲気。
「アデル王女様、はじめまして。ユーリと申します。よろしくお願いします」
そう言ったあと、ほほえんだ顔はまさに天使。
本以外に興味のなかった私だが、この時ばかりは声をはりあげてしまった。
「えー、天使!? 天使がいる! わたし、天使とおともだちになれるの?!」
ちょうど読んでいた童話にでてくる天使みたいだったのだ。
しかも、前世では天使グッズを集めていた、筋金入りの天使好きだ。
わたしの母である王妃がうれしそうにほほえんだ。
「そうよ。ユーリくんは天使みたいに、きれいだものね。よかったわね、アデル。仲良くしてもらいなさい」
うれしくなって、天使をもう一度みた。
天使はほほえみを深くした。長いまつ毛の下で、澄んだ青い目が、光っている。
が、なぜか、わたしの体がぶるっとふるえた。
そう、今思えば悪寒だったんだ。
あの時の私に声を大にして言いたい。
それ、天使じゃないから。
真っ黒だから!って。
2話目の投稿。こんな感じでいいのだろうか?と、不安がよぎりますが、がんばって完結を目指して書いていきたいと思います。