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かくれんぼ村 4


 “ かくれんぼ村 ” の廃村の中で “ かくれんぼ ” が始まって、5日目を迎えた。

 アタシはヒマリさんと一緒に “ かくれんぼ ” をしている。

 昨日の作戦会議で3名の男性が廃神社へ行く事になった。

 道をとおり易くする為に宿泊施設から草刈り機を借りて、草を刈りながら廃神社へ向かうみたい。

 進んで草刈りをしてくれるなんてがたいわね。

 ヒマリさんは大学院生を目指しているらしくて、大学院生になる為にはお金が必要なんだとか。

 【 かくれんぼ村で “ かくれんぼ ” して1000万円もらっちゃおうツアー 20◯◯年 in ながはま 】の事は、休日のネットサーフィンをしていて見付けたみたい。

 知らない内にツアーバスに乗り込んでたアタシとは大違いよね。


「 ──ねぇ、アサカさん、急に天気が悪くなってたと思わない? 」

「 そうね…。

  さっきまで晴れてたのに、雨が降りそうね。

  濡れるのいやだし、切り上げちゃおっか? 」

「 そうよね。

  雨に濡れて風邪なんて引きたくないもの 」


 アタシとヒマリさんは誰よりも早く “ かくれんぼ ” を切り上げる事にした。

 カッパを着たり傘を差して “ かくれんぼ ” を続ける人達もるみたい。

 それだけ1000万円が欲しいんだろうね。


「 ヒマリさんはカッパを着たり、傘を差して “ かくれんぼ ” を続けたりしないの?

  大学院生になる為に必要なんでしょ? 」

「 確かに1000万円は欲しいけど、流石に彼処あそこまでして探すのわね……。

  隠れてる相手は同じ人間でしょ。

  雨の中、隠れてるとは思えないし……。

  晴れたら探す事にするわ。

  今日きょうはスポーツジムで運動して、温泉で汗を流して、マッサージをしてもらって優雅に過ごそうと思うの 」

「 贅沢な過ごし方ね。

  アタシもそうしようかしら 」


 いよいよ雨が降りそうになってたから、ヒマリさんと一緒に急いで宿泊施設へ戻った。











 夕食の時間になって、ヒマリさんと一緒に食堂へ向かった。

 夕食はも好きな料理を好きなだけ食べれるバイキング形式になっていて、普段の生活をしていたら絶対に食べられない御馳走を堪能出来る夢みたいなバイキングなの!


「 アサカさん、なんか人が少なくないですか? 」

「 そう言われてみれば、少なく感じるわね。

  もは賑やかなのに妙に静かだし 」

「 賑やかな人達がないんですよ。

  夕食の時間にないなんて──、雨の中、頑張り過ぎて風邪でも引いちゃったのかしら? 」

「 有り得るかもね。

  早目に切り上げて正解だったわね、ヒマリさん 」


 アタシはヒマリさんと一緒にカフェ風マンガ室へ移動して、作戦会議の時間まで時間を潰す事にした。











 作戦会議に参加したのは昨日より少ない9人だった。

 今夜はやけに出席者が少ないわね。

 アタシも一昨日おとついまでは参加してなかったけど……。

 作戦会議で話題になったのは、夕食の時間になっても食堂になかった人達の事が殆んど。

 みんなで案内人へ事情を話に行く事になった。






「 はい?

  ユウショクにコられなかったヒトがイた……ですか?

  どうされたのかワタクシはゾンじませんよ?

  ワタクシはナニもキいていませ〜〜ん 」


 案内人に聞いてみたけど、「 分かりませ〜〜ん 」だの「 聞いてませ〜〜ん 」だの「 存じませ〜〜ん 」の一点張りだ。

 困った顔をしてアタフタしている。

 イケメンのイケボ男子がタジタジしているのってなんいかも♥

 カモりたくなっちゃうかも♥


「 …………もしかしたら…ですけど……、リタイアされたのかもシれませ〜〜ん 」


 案内人の言葉に、その場にみんなが案内人にって掛かった。

 「 なんやて、◯藤!? 」みたいに、案内人の襟首を掴み掛かりそうな勢いがあった。


「 アスのアサ、ミナさんでテンコをしましょう。

  テンコしてイないサンカシャさんはリタイアしたコトにさせていただきま〜〜〜す。

  1000マンエンをテにするライバルがヘってラッキーですね〜〜〜 」


 案内の言葉を聞いた参加者達の目付きが変わった。

 案内人の言葉に腹を立てて怒ったわけじゃなくて、「 そうか! 1000万円を取り合うライバルが減るんだから喜ぶべきだ!! 」って事に気付いて顔を輝かせているの。

 確かにそのとおりかも知れないけど、リタイアが出来るなら、もっと早く教えてほしかったわ。

 親切じゃないわねぇ!!

 抗議してやろうかしら!


「 それより、ミナさ〜〜〜ん。

  “ かくれんぼ ” のキゲンはアサッテにセマっていま〜〜す。

  ナニかシンテンはありましたか〜〜? 」


 案内人がそう言うと、ホワイトボードに書かれている情報をノートに書き残している人が、案内人へ経過報告を始めた。

 それを聞いていた案内人の顔付きが変わった──気がしたかも??


「 そうですか〜〜。

  スゴいですね〜〜。

  ミナさん、ガンバれてますね〜〜。

  ではではですよ〜〜〜、ワタクシからガンバりヤなミナさんへヒントをサしアげますよ〜〜〜。

  トクベツですよ〜〜 」


 そう言って案内人は、アタシ達に “ かくれんぼ ” に関する重大なヒントをくれた。

 案内人は「 助っ人マンは子役ではないで〜〜す 」と言った。

 「 子役が “ かくれんぼ ” のゲームで捕まえるターゲット(2人組)の1人ですよ〜〜 」と言った。

 だったら勿体振ってないで最初から教えなさいよ!!

 案内人のヒントを聞いた参加者は、アタシと同じ事を思ったみたいで、案内人にブーイングの嵐だった。

 案内人はタジタジでアセアセしていた。

 いや、もう、マジでカモりたいんですけどぉ♥

 スペシャルヒントを貰えた参加者は、案内人に文句を言うだけ言うと、部屋へ戻って行く。

 アタシもヒマリさんと一緒に案内人にだ文句を言ってる人達を残して部屋へ戻る事にした。

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