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かくれんぼ村 3


 “ かくれんぼ村 ” の廃村の中で “ かくれんぼ ” が始まって、4日目が経った。

 ツアー参加者の誰もが廃村に隠れている2人組を見付けられていない。

 に隠れてるのかしらね?

 廃村だから隠れられそうな場所なんて限られてると思うんだけど……。






 もみたいに廃村を1人で歩いてると草むらの中に道を見付けた。

 こんな所に道なんてあったかしらね?

 誰かがとおったあとみたい??

 アタシは恐る恐る道へ入る事にした。






 は……神社…かしらね??

 随分と荒れてるし、廃神社って所かしら??

 廃村の奥に──って言うか、離れた場所に神社があるなんて思わなかったわ……。

 アタシは神社の周りを歩いて見たけど、生い茂った森に囲まれてるみたい。

 隠れられるような場所はなさそうよね……。

 賽銭箱の奥── 拝殿って言うの? ──の中なら隠れれそうだけど、ぐに見付かっちゃうような場所にわざ(わざ)隠れたりしないわよねぇ。

 開けて入ったらバチが当たっちゃうかしらね?

 でも……廃れた神社だし、バチなんて当たらないかも。

 廃れたちゃった神社に神様だって居座らないわよねぇ?

 ちゃんと祀ってくれるほかの神社に引っ越してるかも知れなくない?

 そんなわけで、アタシは拝殿の中へ入ってみる事にした。






めとけ。

  おやしろ様のいかりにれっぞ 」

「 えっ?? 」


 アタシは思わず声を出した。

 背後から子供の声が聞こえたからね。

 声のする方に振り返ると、着物を着た子供が立っていた。

 う〜〜〜ん……??

 の時代の設定なのかしらね??

 子役かしら??

 ツアー参加者の中に子供はなかったから……やっぱり子役??

 もしかして、ゲームの開催者側とか?

 4日経っても誰も2人組を見付け出せないから、案内人がお助けマン的な子役をゲームに参加させてくれたのかも!!


「 えぇと、おやしろ様のいかり──って、は廃神社でしょう?

  神様はちゃんとお祀りしてくれる神社にお引っ越ししてるんじゃないかな? 」

「 してねぇよ。

  おやしろ様は動けねぇからな 」

「 そうなの? 」

「 兎に角だ、中にはぜってぇ入っちゃなんねぇ 」

「 そっそう…だよね?

  引っ越してないなら、勝手に入ったら失礼になるよね?? 」


 他人が土足で家の中にズカズカと上がり込んでたら、誰だって怒るよね?

 アタシなら警察を呼んで逮捕してもらうレベルだわ…。

 可愛い助っ人マンが「 めとけ 」って言うんだから、素直に言う事を聞いとこう。


「 親切に教えてくれてがとうね。

  アタシはきゅうさいアサカって言うの。

  宜しくね 」

「 オイラはキッコだ。

  アサカはそうだからべねぇでやるかんな 」

「 ………………そう?

  あはは…、面白い事を言うんだね。

  がとうね、キッコ。

  アタシも親切なキッコを食べたり(カモッたり)しないよ❇ 」

「 アサカもうのか? 」

「 えぇ?

  アタシって、食いしん坊に見えちゃう? 」

「 …………いんや、見えねぇな 」

「 キッコは1人なの? 」

「 オイラは1人じゃねぇよ。

  友達と “ かくれんぼ ” してんだ 」

「 え〜〜〜そうなんだ!

  かったわぁ!

  アタシも “ かくれんぼ ” してるんだよ。

  参加者は27人て、みんなで “ かくれんぼ ” してるの! 」

「 アサカもか。

  オイラとホフクと一緒だな 」

「 ホフク? 」

「 オイラと “ かくれんぼ ” してる友達だ 」

「 2人で “ かくれんぼ ” してるんだ? 」

「 鬼が沢山っからな、見付からないように隠れてんだ 」

「 そっか、ずっと隠れっぱなしも大変ね。

  あんまり遅くまで遊んでたら駄目よ?

  暗くなる前にお家に帰るんだよ?

  ──じゃあね、キッコ! 」

「 アサカ──、ヴァニタには気ぃ付けろ。

  アイツには深入りすんじゃねぇぞ 」

「 ──えっ?? 」


 アタシが後ろを振り返ると、キッコはなくなっていた。

 「 ヴァニタに気を付けろ?? 」とか「 深入りするな 」って、どういう事かしらね?

 だけど、キッコは案内人を知ってるみたいだっかたから、やっぱり知り合いなのね!

 ゲーム前に貰った時計を見るとあと15分ぐらいでタイムリミットの16時になるから、アタシは廃神社から離れて廃村へ戻る事にした。

 た時の道を歩いて廃村に戻ったアタシは、一足先に “ かくれんぼ ” を切り上げて宿泊施設へ戻った。











 夕食を済ませたあとの午後19時から開かれる作戦会議に初めて参加してみる事にした。

 予想外にもウェルカムな雰囲気で和気あい(あい)としていて驚いた。

 作戦会議の参加者はアタシを入れて16名かしらね。

 ホワイトボードに情報を書き出して、みんなで情報を共有している。

 ホワイトボードにはアタシが行った廃神社の事も書かれていた。

 アタシ以外にも行った参加者がたのね……。

 アタシは廃神社について質問してみる事にした。

 「 拝殿に入ったのか 」と「 中になにがあったのか 」の2点なんだけどね。

 質問してみたんだけど、廃神社に行った人物は今日きょうの作戦会議には出席してないみたい。

 昨日の作戦会議の情報交換の時に、廃神社を見付けたらしいんだけど、タイムリミットが迫っていたから辺りの見回りはしなかったみたい。

 じゃあ、キッコとは会わなかったのかしらね?

 アタシは迷ったんだけど、キッコと会って話した事を話してみる事にした。

 「 案内人の名前を知っていたから、案内人が用意してくれた子役の助っ人マンなんじゃないか 」って事も付け加えといた。

 みんな、「 案内人も粋なサービスをしてくれるね! 」ってなごやかな空気になって、嬉しそうに笑っていた。

 作戦会議はお開きになって、明日あしたは作戦会議で仲良くなったヒマリさんと “ かくれんぼ ” に参加する事になった。

 アタシはヒマリさんと笑顔で別れて、部屋へ戻った。

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