2話 精霊王ユグドラシル
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目の前に大きな魔法陣·····いつも見てきた懐かしの魔法·····それを召喚すると·····目の前には···。
「うぅぅええぇぇええ!!っっっんんん!!!」
「なんじゃ!!!グッヘッ!!」
物凄い勢いでお腹へタックル。な·····なんということじゃ!!
「いたた····どうしたんじゃ、ユグル。」
「こっちのセリフですよ!!なんで一緒に連れて行ってくれないんですか!!契約者様!!」
「·····どういうことじゃ?」
儂がソナタ達を置いて行く?余程死にに行くような場所でない限りはつれていくがの?
「数百年も分からなかったんですよ!!」
「は·····?」
ど···どういことじゃ!?数百年もいなかったじゃと!?そ···それではまさか·····
「儂···百歳超えてるということか?」
「そこですか!?」
な·····なんということじゃ。死ぬと思って余生を過ごしたがまだまだいけられたとは·····
「心配したんですよ!?少しは教えてくれてもいいじゃないですか!?」
「ふむ。じゃがなー記憶が無いしの。」
「え?記憶喪失ですか?本当に何をやってたんですかーー!!!???」
「えぇいい!!揺らすでない!!」
ユグル···きついぞ!!
「ま···待つのじゃ。わかった、わかった。まずは事情が聞きたいのじゃ。教えてくれぬか?」
「グッズん、グッズん。分かりました、今分かることを教えます。契約者様。」
「よろしく頼む。」
そこでこれまで数年間で変わったことを話してくれたのじゃが情報が多く着いて行けん·····
なのでもう一回聞くことにしたのじゃが·····難しそうじゃの。
「すまぬの。もう一回教えてくれぬか?」
「··········私の話。聞いてました?」
「聞いては居たんじゃが、よくわからなくての。ユグルの表情を見ていたらすっ飛んで行ったのじゃ。」
「なんで!!重要なことを!!聞かないんですか!?」
「だから!!揺らすでない!!死ぬぞ!?」
「貴方は死にませんから!!安心してください!!」
「なんか!?ありがとうじゃ!?」
なんというか·····心配を掛けすぎてしまったの。後で皆にも会っておかなければならぬの。
「ユグル·····もう一回教えてくれぬか?」
「はぁ·····。次はちゃんと聞いていて下さいね?」
「うむ。よろしく頼む!」
「はぁ·····。」
ユグル。ダメじゃぞ。そんなため息を吐いていては良いことが逃げて言ってしまうぞ。
「なんか物凄く失礼なことを考えませんでしたか?」
「な···なんの事じゃ?それよりも続けてくれぬと分からぬぞ?」
「貴方のせいでしょうに·····はぁ·····まずはこの世界のことについて改めて(・・・)話しますね?」
「そんなに改めてを強調しなくとも聞くわい。」
「さっき聞いてなかったじゃ無いですか。」
「それはその·····ユグルが可愛いのが悪い。」
「理不尽です·····」
何も進まん!!早く教えてくれユグル!!
「そんなに目を輝かせ無くても教えますよ·····この世界、今いる場所はマルディアーナ大陸のイナラリア王国から数キロ離れた森に居ます。」
「·····ん?マルディアーナ大陸とはなんじゃ?儂の時はリリアリス大帝国だけじゃった筈だと思ったのじゃが。」
「はい。前は有りました。でも、潰れました。」
「ん?·····爺さんには幻聴が聞こえてしまったわい。もう一回頼むの。」
「良いですよ。潰れました。貴方のお陰で。」
「··········。なんじゃとっっぉぉぉおおお!!??」
知らぬぞ!?儂の故郷がこの数年で潰れたじゃと!?あの悪徳国王はどうしたんじゃ!?
「彼奴はどうしたんじゃ?」
「リミット様ですか?」
「うむ。彼奴はエルフだったはずじゃ。なぜ人間の国を納めているのかは、分からなかったのじゃがそれでも、何とかなっていた筈じゃ。」
「あの人病気で死にましたよ?貴方が消えた数年後に。」
「··········。」
すまぬ。リミットよ。まさかソナタがそこまで清き心を持っていたとは思っておらなかった·····
「それ以外は何が変わったのじゃ·····」
何だか疲れてきたぞい。これ以上驚くことは無かろうて·····
「今の内に驚き倒しましょうか。」
「は·····?」
「契約者様。子供達がどうなった知りたいですか?」
「む。確かに·····知りたいの。孤児で養子だったとは言え家族は家族。会ってみたいしの。しかし人族も居たじゃろう。」
「はい。居ますね。」
「という事ならもう生きて居ないの。最後に会って起きたかったが仕方が無いの·····。」
「何言ってるんですか?」
「は?」
「生きてますよ。普通に。サザもカルムも。」
「·····。」
「それどころか不死身にしたのはミミナですし。ミミナの二つ名は知っていますか?あの子『不死身の研究者』って言われて居るんですよ?それにグループ名で境界叡明とかいう名前まで有りますし。」
「·····。」
「·····っ·····な·····ゃ。·····」
「ん?なんですか?」
「なぜじゃ!!なぜ!!そんな面白そうなことをして居るのになぜ!!教えてくれぬのじゃ!!」
「逆ギレですか!?いなかったって話したじゃないですか!?」
「そんなことは知らんぞ!!それ以外の子達はどうなって居るか教えてくれんじゃろうな?」
「あの·····手。グキグキ鳴らすのやめて貰えませんか?貴方の体術·····受身取らないと重症に成りかねないので·····。」
「教えるのじゃ!!」
「分かりましたよ!!行きますよ!?」
それで教えて貰ったみんなの二つ名はこんな感じじゃったらしい。なんじゃ·····らしいとは·····しっかり教えて欲しいものじゃ。
『神域の貴公子』◀ サラス・クルーレン『男』
『祀巫女の聖女』 ◀レー・レア『女』
『人類最強の鍛冶師』 ◀フゥー・タス『男』
『英雄王』 ◀ランド・エナ『女』
『信仰心の覇者』◀サザ・ランド『男』
『教育の母親』◀カルム・マール『女』
『不死身の研究者』◀ミミナ・ルース『女』
『全てを統べる者』◀マルクス・レーニン『女』
『天空の支配者』◀アマ・ルル『女』
『異次元の調停者』◀エドワード・エル『男』
「こんな感じですね。皆さん貴方のために頑張っていましたよ。」
「·····儂のためじゃと?こんな老いぼれをか?」
「その姿で言っているのなら殴りたく成りますけど·····そうです。なんだかんだ言っても師匠であり、家族であり、親である貴方をみんな尊敬してるんです。凄いですね。ホント。」
「お主。最後皮肉に聞こえたぞ。」
「聞き間違えですよ。きっと。」
「でも。なるほどの。まさか家族がそこまで成長してたとは驚きじゃのう。親孝行しておる様で安心したわい。」
「まぁ。色々あるらしいですけど···ね。」
「それは仕方の無い事じゃ。有名になれば背負ってくる宿命じゃ。」
「お。契約者様にしてはいい事言いますね?」
「お主本当に殴られたいのかの?」
「褒めてますよ。本当に。」
「まぁ。良いわい。」
何はともあれ、少し情報を知れたのは良かったのじゃが、根本的な世界情勢を押して欲しいんじゃが·····
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