13.それぞれの今⑦
鮮烈な報告。
「隊長、準備が整いました」
マリアが馬上で言った。
「よし」
僕はドラゴンに乗って皆の前に出た。
「これから、西部及び北部のモンスター調査に向かう」
「おー」
レンの部隊の士気は高い。連戦連勝で出世できた者達だからだろうか?
レンの部隊に配属されると出世するという噂が流れていた。
「これまで通り、遊学隊5千人と行動を共にする。遊学隊の方が数は多いが、有事の際には我々が率先して戦う。気を緩めないように」
「おー」
「今回も学者達を伴う。お守りするように」
「おー」
「それでは、出陣」
「おー」
モンスター調査が再開された。
「西部は隣国のホヨウが中立国なので、東部と比べれば少し気が楽ですね」
マリアが言った。
「油断しない方がええぞ」
「はい。油断はしません」
「隊長は何をお考えですか?」
ジェーンが言った。
「ルフランが本気で攻めて来たらどうなる?」
「一丸となって対抗するでしょうね」
「その時、我が国の兵士はどこに集まる?」
「勿論、東部だと思いますが」
「そうなると西部の兵も東部に集まる」
「それが何か?」
「手薄になった西部にホヨウ軍が攻め込んでこないという保証は無い」
「あ!」
「なるほど」
「我が国は豊かで治安が良く、隙あらば領土を奪いたいとホヨウも思ってるんじゃないかな」
「そう言われればそうですね」
「まあ、今は今の任務に専念するしかないんやけどな」
「そうですね」
僕達は、順番に西部の街を訪れて回り始めた。王都の近くは豊かで治安もいい。
国境付近になって、ようやく盗賊やモンスターが少しだけ現れたが退治した。
西部は本当に平和らしい。
ただ、長期の調査は疲れる。
僕は、早く任務を終えてグッスリ眠りたいと思うようになっていた。
そんな時、王都から早馬が走ってきた。
「伝令です!」
「どうした?」
「軍本部からの命令です。至急、王都に戻るようにとのことです」
「どうした?」
「ルフラン軍が本格的に侵攻してきました!」
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