13.それぞれの今③
ライの近況。
ライは悩んでいた。
「ブライト将軍」
「なんだ?」
「この東部方面の国境沿いのルフラン軍の動きが気になります」
「だったら国境へ行けばいい。ドラゴンと一緒に」
「……」
「話はそれだけか?」
「エラン地方で何者かがモンスターの研究をしていたということですが」
「気になるならエランへ行けばいい、ドラゴンに乗って」
「……」
ドラゴンを連れて帰ってから上司がライにだけ冷たくなった。
ドラゴンとの戦闘、そしてドラゴンを連れて帰って来たということで3千人長にはなった。
だが、上司との仲がここまで悪くなると任務に支障をきたす。
ライは、遂に決心をした。
「ブライト将軍」
「なんだね」
「将軍が私のことを気に入らないのでしたら、異動していただきたいと思います」
「それは困る」
「どうしてでしょうか?」
「ドラゴンが私の元からいなくなるのは困る」
「どういうことでしょうか?」
「ドラゴンが私の部隊にいるということは、私の評価に繋がっている」
「ですが…」
「それに、異動と言っても何処へ行くつもりだね」
「具体的なイメージはありませんが」
「ドラゴンを連れた部下を煙たがるのは私だけではないだろう」
「とはいえ、ドラゴンを配下に出来るなら受け入れるかもしれんが…」
「……」
「どうせ今の私と君との関係みたいになると思うがね」
「……」
「いいじゃないか、“ドラゴン将軍”などと言われて。気分がいいだろう。将軍でもないくせに」
「……」
「早く本当の将軍になればいい。そうすれば人間関係で悩まなくてもすむんじゃないか」
「……」
ライはギデン城の中で息苦しさを感じていた。
とにかく、ライは早く将軍になろうと思った。
その時、ライに声をかけてきた者がいた。
「悩んでいる顔だな」
同じ3千人長のカルラだった。その細腕でどうやって使いこなすのかわからない、大剣使いの強者の女流剣士だ。美しい騎士として評判もいい。
「いつものことだよ」
「また将軍に嫌みを言われたのか?」
「俺は異動もさせてもらえないらしい」
「それは困ったな」
「ドラゴンを連れて帰らなければ良かったのかな」
「いや、あのドラゴンはきっとお前の力になる」
「慰めてくれてるの?」
「早く本当の将軍になれ」
「ブライト将軍にも同じことを言われたな」
「私も将軍を目指している。どちらが早く将軍になれるか競争だ」
カルラは元気だったが、ライは溜め息をついた。
「またドラゴンに乗せてくれる?」
「いいよ」
★メッセージ、コメント、評価、感想、レビュー、ブックマーク等よろしくお願いいたします★




