12.休日⑤
3人でデート。
「さあ、展望台だぞ」
「うわー!すごい。気持ちいい」
「素敵-!」
「2人共、展望台は初めてか?」
「いいえ」
「来たことあります」
「どないやねん」
「でも、隊長と来たことはありませんから」
「来た意味あるんか?」
「ありますよ」
「デートですから」
「これデートなんか?」
「デートですよ」
「デートじゃなければ何なんですか?」
「3人やんか」
「3人でデートなんです」
「そうですよ」
「わかった。これはデートだ」
「はい」
「はい」
「この展望台、2人とも来たことがあるんやな。僕は初めてやったけど」
「と言っても1回だけですよ」
「私は2回。ここ、とても気持ちがいいです」
「僕はレア地方の田舎者で、しかも繁華街しか行ってなかったからな」
「私も田舎者ですよ」
「私もです。たまたま私達の方が王都に長くいるだけですよ」
「そういうものか」
「そうですよ」
「じゃあ、次はどこですか?」
「…美術館」
「素敵ですね」
「行きましょう」
「ちなみに2人共、行ったことは?」
「あります」
「ありますよ」
「あるんかい」
「ダメですか?」
「デートで行くのは初めてですよ」
「でも、新鮮さが無いんとちゃうの?」
「隊長と行けば新鮮です」
「そうですよ」
「ああ、美術館の前に食事やったわ」
「昨日行った店に行きましょう」
「行きたいです」
「わかった。男1人では入りにくい店やけど、ジェーンとマリアが一緒なら行くわ」
「やった-!」
「どんな店か行きたーい!」
僕は溜め息をついた。
昨日の昼に行った店へ。
「ここやねんけど」
「確かに男性だけではキツイでしょうね」
「隊長には似合わないですね」
「わかってるわ」
「とりあえず座りましょう」
僕達はテーブル席に座った。
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