12.次へ⑦
ジェーン…。
「ジェーンです」
「入ってええよ」
「失礼します」
ジェーンが入って来た。レナを見て少し驚いたようだった。
「失礼しました」
レナは退室した。
「隊長、今のは?」
「レナっていうメイドさん」
「メイドさんにも人気なんですね」
「にも?」
「いえ、なんでもありません」
「どうしたんや?」
「東部戦線の件です」
「ああ、いずれ東部の国境警備をする件?」
「隊長はそれでいいんですか?」
「僕はええよ、ジェーンは嫌か?」
「いえ、そういうわけでは…」
「嫌なら僕の部隊から転属希望を出せば…」
「そんな希望は出しません」
「それならいいけど」
「以前、“隊長についていきます”と言いました。東部戦線でもお供します」
「ありがとう、助かるよ」
「ですが、東部国境赴任が決まったのはマリアのせいだと聞きました」
「誰から聞いたの?」
「マリア本人からです」
「そうなんや」
「もし、本部で失言したのがマリアではなくて私でも庇ってくれましたか?」
「うん」
「アッサリですね」
「うん、迷うことでもないし」
「そうですか」
ジェーンは少しホッとしたように見えた。
「どうした?」
「マリアだけ贔屓されているのかと思いました」
「そんなことはないよ」
「それだけ聞きたかったんです」
「納得できた?」
「はい」
「どうしてそんなことを?」
「気にしないでください、私のヤキモチです」
「え?」
「なんでもありません。失礼しました」
「ああ」
ジェーンも笑顔だった。
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