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12.次へ⑤

マリア…。

「君は誰だね?」

「レン3千人隊の副将のマリアです」

「ということは千人長か、千人長がなんだね?」

「東部戦線について質問があります」

「なんだね?」

「国境から少し離れたところにしか駐屯部隊が無いのですが」

「それがどうかしたかね」

「現状では、国境沿いの街や村を守れていないと思います」

「ルフラン軍が国境を越えれば都度対応している」

「駐屯部隊が駆けつけるまでに街や村が襲われています」

「そうは言っても、東部はベアトリーチェ様の管轄だしなぁ」

「誰の管轄でも関係ないと思います。もっと国境の近くに駐屯すべきだと思います」

「千人長には関係の無いことだと思うがね」

「ですが」

「いい加減にしろ」

「そんなに東部の国境近くが好きなら、モンスター調査が終わったら駐屯させてあげよう」

「是非、そうしてください」

「レン、部下の躾がなってないようだな」

「マリアの言うことは正しいと思います」

「なんだと?」

「この上司にしてこの部下か。いいコンビだな」

「では、モンスター調査が終わったらレンもマリアも東部国境駐屯だ。好きなだけ守っていればいい」

「そうさせていただきます」

「レンもそれでいいのか?」

「はい」

「話は終わりだ、下がれ」

「失礼します」


 軍本部を出て、僕はロウに謝った。

「お前に迷惑をかけたな、すまん」

「何も迷惑なことは無いが、本部に嫌われるのは良くないぞ」

「大丈夫や、元々嫌われているからな」

「隊長、すみませんでした」

「マリアは自分で自分のことを“煙たがられている”と言っていたな、ようやく意味がわかった」

「すみません」

「悪いことを言ったのか?」

「いえ…」

「それなら、気にするな」

「ですが…」

「部下のことは上司の責任やからな」

「ありがとうございます」

「一緒に東部戦線に行けばええやんか」 

「隊長のような上司に、今まで巡り会えませんでした。私は隊長についていきます」

「あまり堅く考えるなよ」

「はい」


 マリアは笑顔だった。 


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