表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/375

11.遊学と調査①

出発。

 僕たちは出発した。


 国内のあらゆる街を見られるように調査コースは定められていた。最後に西国のホヨウを回ることになっていた。


「とりあえず、この南方のエラン地方からやな」

「ああ、それぞれの街の様子を知りたい」

「エラン川の汚染調査もあるんyやなぁ」

「面倒臭いか?」

「面倒臭い」

「まあ、そう言うな」

「ロウと仕事が出来ることは滅多に無いから楽しいけどな」

「それは光栄だ」

「ロウは5千人長だから、次に昇進したら1万人長。将軍だな」

「そううまくはいかんよ」

「やっぱり士官学校へ行った方が何かと有利なのか?」

「そうだな」

「まあ、ロウは高専でも成績が飛び抜けて優秀やったからなぁ」

「いや、クラウディオがいる」

「あの陰気な老け顔か?2番だったよな」

「卒業試験の決勝戦、あいつは明らかに手を抜いていた」

「へえ、そうなんや」

「今、クラウディオが何をしているのかわからんがな」

「あんな陰気な嫌な奴のことなんか忘れろや」

「そうだな」


 最初に訪れた街は平和で豊かだった。

 町長に街のことを聞く。良いところと悪いところ。悪いところは改善してほしいという依頼だ。だが、特に困ったことは無いらしい。

 その日は、その街で1泊した。


「何の変哲も無かったな」

「そうだな」

「このまま“困ったことはありません”が続いたら遊学にならないんじゃないか?」

「そうだが…まさかそういうことは無いだろう。辺境に近づけば、貧しい街や治安の悪い土地があるはずだ」

「そうかな」


 次の街も平和で豊かだった。“困っていることはありません”とのことだった。

「おいおい、これだけの大軍で回る意味があるんかいな」

「だから、県境に行けば…」


 だが、辺境までは遠く、“困っていることはありません”という街が続いた。


 幾つかの街を回ってエラン川沿いを通っていると、ロウの部下が走ってきた。

「エラン川の汚染地点が近づいているかもしれないとのことです」

「よし、進軍停止」

 一同、足を止めた。


 学者達の出番だった。

 報告のあった場所の近辺をじっくりと調査していく。


「ここが汚染地帯なら、何かありそうやな」

 僕が言うと、

「そうだな」

ロウも同意した。


 その時!


「報告します。モンスターの大軍です」


 ★メッセージ、コメント、評価、感想、レビュー、ブックマーク等よろしくお願いいたします★

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ