2.門出③
特別鍛錬開始。
入隊の日を迎えた。
また侍女らしき女性達が部屋まで案内してくれた。
「レンです」
「どうぞ中へ」
「失礼します」
部屋の中央あたりまで移動して言った。
「ノア戦士高等専門学校卒のレンです。本日からソフィア王女様の護衛隊に入隊させていただきます。よろしくお願いいたします」
「ようこそレン。宜しくお願いしますよ」
ソフィアが微笑んだ。
「私はリー。護衛隊長を任されている。レンには今日は特別な鍛錬をしてもらう」
ソフィアの横で控えていた目つきが鋭い男が言った。
「はい、なんなりとお申し付けください」
「では、外の稽古場へ移動する」
ソフィアと13人が稽古場とやらに移動した。
「では、レンと我々で稽古をする。レン、用意をしろ」
言われて、僕は大剣を抜いた。
「いつでもいいです」
「では、こちらからはまずウェイ。ウェイ、開始線へ」
女性剣士が開始線まで来た。かわいくて
「よろしくお願いします」
と僕が言うと、
「よろしくお願いします」
と答えてくれた。どうやら良い人のようだ。僕は少しホッとした。
ウェイが抜刀した。
「いつでも構いません」
「では、構え」
と言われても僕は構えないのだが…。
「はじめ」
一瞬で辺りが霧に包まれた。霧に隠れて攻撃するのだろうか?だが、魔法には相性がある。僕と霧の相性はいい。
僕は突風を吹かせた。風なら多少は操れる。一瞬にして霧は晴れた。迫っていたウェイの姿が丸見えだ。
「風使いか?」
「そうです」
僕は剣をウェイの喉元に突きつけた。
「参った」
「勝負あり!勝者レン」
リーが言った。僕は勝ったらしい。
僕は特別鍛錬とやらの初戦を勝利で飾ることが出来た。
特別鍛錬とやらはまだまだ続く。
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