10.休日と新しい動き⑥
墓参り。
すっかり体調の良くなった僕は、次の任務の前にジョンの墓参りに出かけた。
ジョンの墓の前に、ジェーンがいた。泣いていた。
僕はしばらく何も話しかけられず立ち尽くしていた。
しばらくして、ようやく話しかけた。
「ジェーン」
「…隊長」
「君も来てたんやね」
「隊長も来てくださったんですね」
「やはりジョンとは親しかったんか?」
「婚約していました」
「…」
僕は絶句した。
「今年中には式を挙げようと話していました」
「それは…悪いことをした。すまない」
「何故、隊長が謝るのですか?」
「僕の指揮で亡くなったからな」
「隊長のせいではありません」
「いや、君は僕を憎んでもいい」
「憎んでいません。戦闘で死ぬことは多々あります。それをわかった上で軍人をやっているのですから」
「わかった。せやけど、いつ僕を憎んでくれても構わないから」
「隊長はどうしてそんなに優しいのですか?」
「普通やで」
「私は隊長を殺そうとしたんですよ」
「未遂やったし」
「それでも」
「あの時、ジェーンには殺気が無かった。事情があるんやろうとすぐにわかった」
「それで許せるんですか?」
「充分。人の行動には理由がある。理由に納得できたら、それでいい」
「私は、隊長についていきます」
「僕についてきたら、ひどい任務が続くで」
「それでも、ついていきます」
「僕の部下であるということは、死に近いと言うことやで」
「いえ、隊長はいつも互いの戦死者を最低限にする戦いをなさっています」
「ありがとう。でも、無理はせんといてや」
「はい」
「ジョンと二人きりの方がええかな?僕は去るわ」
「え、はい」
僕は先に去った。僕の心中はとても暗くなった。
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