10.休日と新しい動き④
穏やかで幸せな毎日。
また、ソフィアがドラゴンに乗りたがった。ドラゴンもすっかり懐いている。だいぶん大きくなった。
「よろしければどうぞ。あ、ユーリもどう?」
「いいんですか?」
僕とソフィアとレイラとユーリが乗った。
「高くて気持ちがいいですね」
「風も爽やかです」
「レン、この子に名前をつけているの?」
ソフィアが言った。
「いいえ、まだです」
「じゃあ、ドンちゃんにしてもいい?」
「構いませんよ」
その日から、僕のドラゴンはドンちゃんになった。
ドンちゃんとソフィアを、なるべく仲良くさせるのが僕の目的だった。いざという時、ソフィアにドンに乗って逃げてもらうことも想定の内だったからだ。
雨の日があった。ソフィアは自分のテントに僕を呼んで、雑談をしていた。シュウやレイラやユーリも混ざっていた。
「ちょっと出て来ます」
僕は雨の中、テントから見えていた位置へ。やっぱり、子犬が2匹。震えている。母犬は死に絶えていた。僕は木の根元に母犬を埋めて、2匹の子犬を連れてテントに戻った。
「ずぶ濡れになってしまって申し訳ありません」
「まあ、かわいい子犬ですね」
「もらってくれる人はいませんかね?」
「私がもらっていいですか?一匹はレンと名付けます」
「では、もう一匹は私にいただけませんでしょうか?」
とレイラが言った。
「構いませんよ。可愛がりましょうね」
「はい、ありがとうございます」
雨が降るのを皆で眺める。ただ眺める。穏やかに。
(こういうのもいいなぁ)(こういうのも幸せなんだろうなぁ)と思った。
数日後、ソフィア一行は帰っていった。僕にとってはよい休憩になったし、ソフィア達とも話せて楽しい時間だった。
また、今回みたいに穏やかに話せる時も来るだろう、と思いつつ明日からの通常業務の準備にかかった。
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