10.休日と新しい動き③
フーと飲む休息。
療養中も、外出は出来た。ただの散歩だが。
「よう」
「フーか」
「久しぶり」
「ソフィア様のテントで会ったやないか」
「そんなの会った内に入らねーよ」
「そうか?」
「俺の部屋へ来いよ、飲もうぜ。俺は今日は休みなんだ」
「ほな、そうしようか」
フーのテントは殺風景だった。ベッドと着替えと酒瓶しかなかった。
「ほら」
フーから酒のボトルを渡された。フーも同じボトルを持っていた。
「これ、全部僕が飲むの?」
「当然」
「まあ、ええけど」
「じゃあ、改めて27期生に乾杯!」
「乾杯」
「レンが異動になったら、俺がここに来た意味が半減するんだけどな」
「なんで?遊学資金を稼ぎたいんやろ?護衛員は給料が高いやんか」
「それは動機の半分」
「半分は?」
「お前」
「僕は、そういう趣味じゃないんで」
「そうじゃなくて、俺はお前をずっと認めていたんだ」
「そりゃあ、どうも」
「不思議な成長をするからな、レンは」
「それで?」
「どういう成長をするか側で見てたかった。まあ、俺の好奇心だ」
「そんな風に思われているとは思わなかった」
「でも、気をつけろよ」
「何に?」
「何もかもにだ」
「どうして?」
「2回も暗殺されかけておいて、“どうして?”はないだろう」
「ああ、刺客のことか?」
「お前はソフィア様の婚約者で、貴族達や隣国のユリウスなどからも嫌われている」
「平民出身のくせに生意気だって?」
「そうだ。加えて軍もお前を殺そうとしている。まあ、だからこそ3千人長まで出世できたのだろうが」
「うん、だから僕は自然な成り行きに身を任せるんだ。その中で、最善の道を見極めたい」
「でもな、幸いにも味方はいるからな」
「ありがたいな」
「軍がお前に極端に冷たい理由は知ってるか?」
「さあ…」
「噂では、ベアトリーチェがお前を殺したがってるらしい」
「国王様はまだわかる、ベアトリーチェ様が?」
「だから噂だって」
「ああ、わかった。注意はする」
「オリヴェルみたいな貴族も多いしなぁ、隠居じいさんは動いてくれないし…」
「悩み事は沢山あるんやな」
「他人事のように言うな。モンスターの調査、エラン側の汚染の調査、ソフィア様暗殺未遂事件の調査…」
「僕が最初に襲われたときもソフィア様の時の影男だったけれど」
「どういう関連性があるか?だな」
その後、フーと少し雑談してから自分のテントに帰った。帰ると、回復魔法の美女4人が眠っていたので起こさないように気をつけた。
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