8.軍隊の日常②
入隊初戦。
山賊退治を命じられた。僕は手柄をたてるチャンスだと思って喜んだ。
片道2泊。結構近い。村人の話に従って馬を歩ませて、300人で散策した。
「根城の洞窟があるはずだ。洞窟を見つけたら連絡」
僕は指示を出した。だが、僕は待つのが苦手だった。待つのも限界に達した頃、洞窟発見の連絡が入った。狼煙を上げて1度全員を集合させる。
「集まったな、では、斬り込むぞ。ただし、投降する者は斬るな」
僕は自ら先頭に立って洞窟を目指した。矢が降ってきた。
「ジョンの100人で弓兵を制圧」
「はい」
「ジェーン、斬り込むぞ」
洞窟からわらわらと出て来る山賊たち。思ったよりも多い。多すぎる。
「全体止まれ」
部下達が怪訝な顔をする。
「300人隊のレン隊長である。貴公等の頭と話し合いたい」
山賊達もとまどっていた。双方の動きが止まった。
そこで、1人の屈強な男が前へ出て来た。
「私が頭だ。名はウイリー」
「貴公等は生粋の軍人か?生粋の山賊か?」
「隣国から来た。国境付近の村にいた。税が高く、払えないと厳罰だったのでこちらへ流れてきた」
「それで山賊か?」
「ああ」
「全員で何人いるんだ?」
「女子供を合わせて150人を超す」
「この洞窟にいるのか?」
「ここには戦える者しかいない。女子供は別の洞窟にいる」
「ずっと山賊をやりたいか?」
「農業がしたい。だが、よそ者に土地は与えてもらえない」
「じゃあ、ついてこい。全員で来い。女子供が集まるまで待ってやる」
「わかった。このまま戦ってもこちらが全滅するからな。貴公を信じよう」
僕たちは山賊?を連れて帰った。上司に訳を話して、結局開墾をしてもらうことになった。
その翌日、30名ほどの山賊が僕を訪れてきた。ウイリー達だった。
「どうかしたんか?」
「レン殿に仕えたい」
「家族は?」
「開墾を始める」
「一緒に開墾しなくてもええのか?」
「恩返しがしたい」
「許可がおりれば構わんけどな」
面倒くさいので手続きはジョンとジェーンに任せた。許可が降りた。
300人隊が330人隊になった。
ちなみに、弓矢の攻撃などは最初にあったが死者はお互いに出なかった。
僕は溜め息をついた。手柄をたて損ねた。
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