8.軍隊の日常①
レン、軍隊へ。
僕の所に2人の騎士が歩み寄ってきた。1人は男性、1人は女性だった。
「副長のジョンです。よろしくお願いします」
恰幅の良い男性が礼をした。
「同じく副長のジェーンです。よろしくお願いします」
女性の方が礼をした。
「ああ、よろしく頼む。今までは護衛隊員だったので軍隊のことは知らないことが多い。いろいろ教えてくれ」
「わかりました。ですが、その前に」
ジェーンが不敵な笑みを見せた。
「隊長の実力を見せてください」
ジェーンが剣を抜いた。
「どういうことだ?」
「私たちは命がけで仕事をしています。私たちが命を預けられる隊長だと示してほしいのです」
「で?何をするの?」
「私と勝負をしてください」
そこで僕はキレた。
僕は剣を抜いた。
「300人全員でかかってこい」
僕はジェーンの細身の剣を一撃で叩き折った。ジョンが長槍を振るう。それよりも早く脇腹を打つ。ジョンが跪く。
「全員来いや」
300人が一斉に跳びかかってくる。僕は、その全てを打ち倒した。魔法はほとんど使わなかった。相手が魔法を発動する前に打ち込むからだ。
やがて、倒れ込んだ300人と1人立っている僕がいた。息切れしているが怪我は無い。シュウに近い高速剣技を身につけたからできたことだ。護衛隊員になって僕は格段に強くなった。自信はあった。
「今日の訓練は終わり。皆、休め。明日は遅れずに出勤するように」
僕は言った。更に、
「ジョンとジェーンは僕の部屋に来るように。業務の詳細について聞きたい」
僕は自室に帰った。
やがて、僕の部屋をジョンとジェーンが訪れた。2人とも恐縮している。
「そんなに緊張しなくてもいいから。仕事の中身と当面の予定を教えてくれ」
僕は2人から業務について聞いた。警察業務、パトロール、山賊退治、モンスター退治…。
(これで僕は将軍になれるのかな?)あまり手柄になりそうな業務が無いので僕は不安になった。
「私どもの方で、何かお手伝い出来ることはありますでしょうか?」
ジェーンが聞いてきた。
「訓練」
「訓練は日々しておりますが」
「ダメだ。皆、弱すぎる」
「申し訳ありません」
「明日から、この部隊は生まれ変わるぞ」
僕の言葉に、2人の副将は俯いた。
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