7.不穏④
護衛隊員最後の日。
僕が任務に復帰できるようになった時には、僕は異動になっていた。僕は軍隊の官舎に引っ越した。と言っても荷物は少ない。衣類くらいだ。アラン達が手伝ってくれたのですぐに終わった。明日からは正規軍人だ。
その晩、皆が送別会を開いてくれた。皆の気持ちが嬉しかった。
“5年で将軍”
この目標を皆が知っている。要するにソフィアの気持ちを皆が知っている。なぜならソフィアが隠さなかったからだ。
「これからはユリウス様にも“決めた人がいます”と言いますからね」
ソフィアは笑顔だった。こんなにオープンな人だとは知らなかった。思わぬ“恋人宣言”だった。ただ、まあ、悪い気はしない。
「お前には魔法を教えてもらったな、礼を言う」
レイラが言った。
「いえいえ、今では僕よりも上手でらっしゃいます」
「鍛錬は続けろよ。もっと高速になれるからな」
と、シュウ。
「はい」
「お前にはもっと教えたいことがあったんだがな。まあ、頑張れ」
と、リー。
「将軍になるなら正規軍の方が近道かもしれんぞ」
と、ラン。
「5年後を楽しみにしています」
と、ウェイ。ウェイは1つ年下だし僕が300人長だから敬語を使ってくれる。
「あんまり自爆しちゃダメですよ」
と、ユーリ。
「お前なら、5年で将軍になれるかもしれない」
と、フーが言った。
「難しいな」
「俺がここに来たのは、レンの資質を見抜いていたからということもある」
「頑張るわ」
その晩、アラン達やユーリ以外の回復魔法組とも打ち解けて話せた。
最後に、
「私は、あなたを信じています」
とソフィアに言われた。
「はい」
僕は力強く答えた。
次の日、入隊初日に自分の300人隊と引き合わされた。
「300人長のレンだ。これからよろしく」
僕が言ったら、
「王女様を守れなかった人ですか?」
と言われ、全員から大笑いされた。
「その通りだ。お前らを守ることも出来ないから、自分の身は自分で守れ」
と、僕は言った。
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