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7.不穏①

第1王女、エリザベス。

 ソフィア負傷の話はエラン地方のみならず王都にも伝わっていた。


 国王は

“護衛員が頼りない”

と護衛員に対してご立腹だった。


 ソフィアの件は、第一王女エリザベスの元にも届いていた。

「かわいそうなソフィア。さぞや怖かったでしょうね。この国は豊かで治安がいいと言われていますが、そうでもないんですね」

「豊かで治安がいいのは間違いないのですが、エラン地方に関しては最近不思議なことが続いております」

 エリザベスの側近の者が言った。堂々とした武人だった。

「居城の近くのモンスターの件ですね」

「はい。ソフィア様はユリウス様からアプローチされていますし、エラン地方は今この国の台風の目ですね」

「そうだわ、私が真に平和で豊かな国をつくればいいんだわ」

「エリザベス様であれば、可能だと思います」

「そろそろ私もこの国の政治に関わろうと思えてきました」

「それは頼もしいお言葉」

「私は第一王女ですものね」

「さようでございます。エリザベス様が第一王女です」

「そういえば、ベアトリーチェは以前から私より政治に関心があるみたいですね」

「さて、いかがでしょうか?」

「よく父王と口論をしています」

「さようでございますか」

「それにしても、何故ソフィアが狙われたのかも疑問ですね」

「はい。わかりかねます」

「怪我をしたのは護衛隊員の責任ですね。罪には罰が必要です」

「はい」

「ソフィアを守れなかった護衛隊員がいますね」

「います。自身も重傷をおったらしいですが」

「何らかの罰を考えるよう、父王に話してみます」

「さようでございますか」

「私は、この国がもっと良くなるように考えるようにします。いえ、考えたら実行もできるように、そういう存在になります」

「立派なご覚悟です」

「私は自分の出来ることをしていきます。あなたも力を貸してくださいね」

「はい」


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