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7.非日常④

夜の襲撃者。


 数日間、モンスターの件が話題になることが多かった。辺境ならまだしも居城の近くに複数現れたのはバッドニュースだった。

 リーの指示で、駐屯兵が四方八方を捜索し、何回かモンスターと交戦したという報告があった。モンスターは撃退、こちらに死者は無しなのだが、謎は増すばかりだった。とりあえず、モンスターが現れたという知らせが来たらスグに対応できる体制は整ったらしい。元々、駐屯兵は平時には警察業務もするのだ。定期的な巡回も駐屯兵で実施することになった。

 とりあえず、近くにモンスターはいたが全て退治できたというのであれば一安心、と僕は思っていた。


 僕は、数日が平和に過ぎたのでまた気が緩んで、

「レン」

と、欠伸を噛み殺しているところをレイラに注意された。

 そして、レイラとユーリは時々ソフィアの雑談の相手になっていた。

 それから、ソフィアは時々リーとエラン川の汚染に関する調査について話し合っていた。


 その日、いつも通りの夜勤。ソフィアの寝室の前で僕とシュウが立ち番をしていて、寝室内にレイラとユーリが控えていた。

 蝋燭の灯りだけなので薄暗い。いつものことだが夜勤は気持ちが悪い。


 その時、何かが僕らの脇を通過した。

「副隊長」

「中に入った」

「失礼します」

 僕とシュウがソフィアの寝室に入った。中ではレイラが抜刀して構えていた。

「シュウ様、中にいます」

「ユーリ、光の魔法で照らしてくれ。暗い」

「はい」

 ユーリが部屋全体を明るくしてくれた。僕たち以外の姿は無い。

「どこに行った?」

「ん?」

 シュウが異変に気付いた。

「みんな、影だ。敵は影の中に潜んでいるぞ」

「シュウ様、動けません」

 レイラが言った。

「俺もだ。レンとユーリは動けるか?」

「はい」

「はい」

「敵がもし1人なら、同時にコントロールできる影の数に限界があるのかもしれない。もしくは複数の敵が入り込んだか…。レン、ソフィア様をお守りすることだけ考えろ」


 僕は、

「失礼します」

と言って、ソフィアのベッドに上がり、ソフィアを背にかばう体勢をとった。


 その時、僕の影の中から剣を持った片腕が出て来た。真っ直ぐ突いてくる。僕は大剣で払った。とっくに抜刀している。

 試しに、僕は自分の影を刺してみた。何も起こらない。

「すぐに他の影に移動している。一撃離脱戦法が得意のようだ」

 また剣が出て来た。大剣で防ぐ。すぐに影を突く。空振りだ。

「レン、もう少し頑張ってくれ」

「はい」

 僕は剣が突いてくる度に大剣で防いだ。残念ながらこちらが劣勢。かすり傷ながら僕は何カ所も傷をおった。そして、脇腹に一撃を加えられた。これは、避けられなかった。血が噴き出す。

「副隊長、そろそろ私1人では限界です」

「もう少しだ。ユーリ、灯りはそのままでレンに回復魔法」

「はい」


 僕は、刺された脇腹が焼けるように痛かった。


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