1.卒業試験④
卒業試験、終了。
自爆したことで、僕の身体はぼろぼろになったらしい。最新・最高の回復魔法を使用しても、僕は2日間意識不明だった。顔や身体に、大なり小なり傷跡が残った。そこまでが医療技術と回復魔法の限界だったらしい。1ヶ月の入院リハビリを指示された。
卒業試験、結局僕はベスト16止まり。大会はロウが優勝したらしい。ライは3位、シローが4位だったとのことだが、僕が意識を失ってる間のことなので、詳細はよく知らない。
シンヤも僕と同じくらいの重傷と聞いて、“ざまみろ”と思った。あいつのことは多分、一生嫌いだと思う。シンヤの快進撃ををベスト16で止められたことだけは良かった。
病室にいると、ライ、ロウ、シローが見舞いにやってきた。
「意識がもどったんんだな」
「とにかく良かった」
「卒業試験で本気の自爆をしてどうするんだよ」
「どうしても奴にまけたくなかったからな。それに、僕は足を痛めていたし」
「これ、お前宛のラブレターや」
ライが手紙の束を僕に渡した。
「何、これ?」
「スカウトの手紙」
「こんなに?」
「それだけ印象に残ったんだろう」
僕は1つずつ開封していった。
「大商人の衛兵、貿易商人の護衛、軍隊…お、これは珍しいな」
「どうした?」
「軍隊では、いきなり30人長待遇って書いてある」
「すごいじゃん」
戦士高専卒は、通常10人長からスタートする。士官学校卒がいきなり30人長からスタートするので、僕は士官学校卒の待遇ということになる。
「それだけあれば、望むところもあるだろう?」
ロウが言った。
「全治1か月なら卒業式に間に合う。入院している間に就職先を決めろよ」
「これがいい」
僕が言った。
「どれどれ?」
「第3王女の護衛隊員」
「何故、王女の護衛なんだ?」
「1番給料が高い」
「結局は金か?」
「後、現在13命中7名が女性と書いてある。職場に女性がいた方がいい」
「まあ、ゆっくり考えろ」
4人は去っていった。僕は寝た。就職まで、あと1ヶ月余りだ。
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