7.非日常②
モンスターの夜襲。
僕は1番近いサキュバスに斬りかかった。サキュバスが緑色の息を吐いた。目がくらむ。またソフィアの幻影が現れた。
「レン、そいつらの息を吸うと術にかかるぞ」
リーが言った。
僕は大剣で自分の左手の平を刺した。痛みで正気を保った。
今度は確実にサキュバスを斬った。上半身と下半身が別々になったが念のため首も飛ばした。宙を舞って逃げるサキュバスをフーが斬っていた。ランも火炎柱で対空攻撃をしている。
「一匹も残すな、頑張れ」
リーの叱咤激励。
その時、ソフィアのテントから声が聞こえた。ユーリ達がバリアーを張っているはずなのだが、気になったので僕はテントに駆けつけた。テントに入ると5人のインキュバスを見つけた。ユーリ達が頭を抱えて悲鳴を上げている。ソフィアは呆然としている。
僕は片っ端からインキュバスを切り倒していった。5匹を倒すのに10秒程度。シュウに言われて筋トレを続けているおかげで動きは速くなった。シュウやフーには負けるが…。
インキュバスの幻惑から逃れられた女性陣が正気を取り戻してきた。
「レンさん、ありがとうございました。精神攻撃に対するバリアーが弱かったようです。申し訳ありません」
ユーリ達から礼を言われた。
「いえいえ。相手は5匹でしたしね。ところでソフィア様は大丈夫ですか?」
「はい?あ、レン?」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です。また助けられましたね」
ソフィアは何故か恥ずかしそうにしているように見えた。
「いえいえ、ソフィア様は皆で守っていますから」
そこへ、リーとシュウが入って来た。
「失礼します。ソフィア様、ご無事ですか?」
「大丈夫です。レンが来てくれました」
「サキュバスに気を取られ、インキュバスの出現にまで気がまわりませんでした。申し訳ありません」
「ありがとう。外はどうなっていますか?」
「サキュバスは全て退治しました」
「エラン城のすぐ近くでモンスターがたて続けに現れるのはおかしいですね」
「エラン城に帰りましたら一度調査したほうがよろしそうですね」
「そうですね、城の兵を動かしてあらゆる地方の状況を知る必要がありますね」
「はい」
「レン、よくやった」
シュウが僕を褒めてくれた。
「いえいえ」
他のメンバーも集まってきた。
「失礼します」
「ソフィア様、ご無事ですか?」
「大丈夫です。ありがとう」
「再び警戒態勢、朝までもうすぐだから全員で警備する」
リーが言ったので、全員、
「はい」
と答えた。
「あ、レイラ」
ソフィアがレイラを呼び止めた。
「はい」
「少し残って私の話し相手をしてください」
「はい」
そういえば、レイラはよくソフィアと話をしている。ソフィアと仲が良いらしい。
僕たちはテントの周囲で警備にあたった。
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