7.非日常①
モンスター襲来。
僕たちは帰還するために馬を歩ませた。だが、モンスターとの一戦で時間が取られ、その晩は野宿することになった。
ソフィア用の大きなテントを張って、中にソフィアとユーリ達回復魔法部隊。僕たちは交替で警備をしていた。
僕は、シュウ、レイラ、フー、と一緒に四方を警戒していた。昼間にモンスターが出たので緊張感はある。
とはいえ、居城の近くなので、もう何も起こらないだろうという安心感もあった。
突然、目の前に魅力的な女性が現れた。僕の理想そのものだった。その女性はソフィアだった。おいで、おいで、と手招きする。
僕は抗えなかった。フラフラとついていこうとした。身体が自由に動かない。
「レン、しっかりしろ」
声と同時に頬を叩かれた。我に返った。レイラだった。
「サキュバスだ」
フーが駆け寄ってきた。
「お前はどうして大丈夫なんだ?」
僕がフーに聞くと、
「俺のマントはあらゆる魔法攻撃を無効化する。親の形見だ」
テントの中からユーリ達が出て来た。
「居城のすぐ近くですよ、モンスターが出るなんて信じられません」
ユーリが言った。
休息中のリーやアベル達も集まってきた。
「皆さん、どうして大丈夫なんですか?」
「このくらい、精神力でなんとかなる」
と、シュウ。
「術にひっかかったのは僕だけですか?」
僕は恥ずかしかった。
「心配するな、俺たちもひっかかるところだった」
アベルが言った。
「リー隊長に目を覚ましてもらった」
アランが言った。
「敵の姿が見えない。暗闇のせいだ」
とアレクサンドル。
「ユーリ、光の魔法を頼む。周囲を照らしてくれ」
ユーリ達回復魔法メンバーが呪文を唱えた。周囲が昼間以上に明るくなった。
コウモリのような翼のある小さな雌(人間ではない雰囲気)という印象の姿が照らし出された。1匹や2匹じゃない。
「戦闘開始」
リーが言った。
僕たちは各自戦闘を開始した。
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