セカンド ファンタジー (第4章 第51話)
シローという男。
「馬鹿!」
一斉につっこまれるケイジであった。
温和なシローは頭をかいていてかわいそうだ。
「家政婦が休みの時は僕がおつかいに行くんだよ」
「尻に敷かれてるんですか?」
「馬鹿!」
また一斉につっこまれたケイジ。
「まあね。泣いて求婚したからかな」
「シロー様はお優しいですから」
マリーがフォローした。
「なんで泣いてたんですか?」
「馬鹿!」
「求婚したらフラれたんだ。それで泣きながら結婚してくれって頼んだんだ」
「そんなにイイ女だったんですかい?」
「とても綺麗な方よ」
マリーが言った。
「うむ。今は引退しているが戦場で活躍していた頃は敵も見惚れたという」
と、フビジ。
「とにかくごっつ魅力的な方やねん」
「ふーん。そうなんですか」
「でも、僕は幸せだからこれでいいんだよ」
「息子のゴローさんの初陣が近いですね」
「うん。軍属にならなくてもいいって言ったんだけどね」
「私達も軍属なので気持ちはわかります」
「やっぱり親の影響なのかな?」
「勿論」
「親の影響は大きいですよ。私は言葉も訛ってしもうてるから」
「テレサのはわざとだろう」
「なんで?」
「お父様以上に訛っているぞ」
「そうよ、テレサ」
「う!言い返すことが出来へん。けど親の影響が大きいのは確かやわ」
「それはそうとシロー様」
「何?フビジ」
「敵の副将を捕虜にしたのですが」
「あ、そうらしいね。お手柄だね」
「処遇に困っています」
「そうなの?」
「どうしたらいいですか?」
「本人は母国に帰れないと」
「何故?」
「祖国を裏切って釈放されたと思われるから、らしいです」
「そんな残酷な国なの?ドルートって」
「はい。捕虜になってから帰ると処刑されるらしいです」
「じゃあ、カルデアに連れて帰るしかないね」
「はい。そうなんですが…」
「何か問題が?」
「何の仕事を斡旋したいいのか…?」
「軍属でいいんじゃない?」
「いいんですか?」
「東部戦線以外の戦場ならいいだろう」
「ありがとうございます」
「後で、司令部に出す書類を書くよ」
「助かります」
「いいよ。そのくらい」
「後で会ってください。なかなか凜とした騎士です」
「わかった」
「シロー様が来てくださって嬉しいです」
「そう?ありがとう」
「…捕虜に会ってくださいますか?お時間のある今」
「わかった。いいよ」
シローはフビジ達とテントを出た。
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