6.エランの日常④
ロベルト邸、訪問。
翌朝、僕たちは有力者とやらに会うために馬を歩かせた。随行するのは護衛員14名。親衛隊300人や駐屯兵を置いてきたのは、
「兵を集めての訪問はロベルトに反感を買うかもしれない。最少人数で行きます」
と、ソフィアが言ったからだ。また、エラン地方が平和だということもある。
丸1日、馬を歩かせて、リーが
「ソフィア様、着きましたたよ」
「わかりました。誰か、護衛兵が敷地内に入って良いか聞いてきてください」
ウェイが馬から降りて敷地内に入って行った。しばらく戻って来なかった。(遅いなぁ)と思った頃に戻ってきた。
「会見の部屋にはソフィア様だけで入室してください、他の者は会見の部屋の前で待機してください、とのことです。
「では、そのようにいたしましょう」
僕たちは馬から降りた。
会見の部屋に入ってから、ソフィアはなかなか出てこなかった。護衛員の入室を許可してほしかった。
やがて、ソフィアが部屋から出て来た。ロベルトが見送りに出て来た。屈強で目つきの鋭い男という印象だった。
「今日は遅いから、皆さん家に泊まってください」
と言われ、
「では、お言葉に甘えましょう」
と、ソフィアが答えたのでロベルト邸で1泊することになった。野宿よりはいい。僕たちは内心で喜んだが、ソフィアの曇った表情が気になった。
夕食をいただき、各自、寝室に案内された。大部屋かと思っていたが、個室だったので嬉しかった。ランたちの班が警備の時間帯なので、僕はゆっくりと眠ることが出来た。
翌朝、皆、早めに起きて出発の準備をした。
朝食をいただいてから、僕たちは出発した。
「それでは、ロベルト様は力を貸してくれないということですか?」
馬車からリーの声が聞こえた。興奮しているようで声が大きい。
「そうは言っていません。先にやることがあるだろうと言われました」
ソフィアの声もよく聞こえる。やはり声がでかい。よく聞こえるのは、僕が馬車の真横にいるからということもあるのだが。
「やることというのがエラン川の汚染対策ですか?浄化しろと言うことですか?」
「エラン川に限らず、国のためにすることがあるだろうと言われました」
「うーん」
それから、馬車の中の声は聞こえなくなった。声の大きさが元に戻ったのだろう。普通の声なら聞こえてこない。とにかく、ロベルトからよい返事はもらえなかったらしい。
その時、道を塞いでいる物がいることに気付いた。
1つは大きなスライム、もう1つは緑色の肌をした魔人。魔人は軽く2m以上あるだろう。
意表をつかれた僕は、思わず、
「こんにちは」
と言ってしまった。
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