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【祝! 107000PV突破】ファースト ファンタジー  作者: 崔梨遙
第7章 セカンド ファンタジー フビジの冒険
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セカンド ファンタジー (第4章 第49話)

シロー着任。


「シロー、着任しました」


 シローは老将に敬礼した。


「お主ほどの男ならば安心じゃわい」


「はっ、ありがとうございます」


「儂が床に伏している間も全権を委ねる。最低でも、負けないようにしてくれ」


「わかりました」



「フビジー、マリー、テレサー」


 ロベルトのテントから出ると、3人組に出会った。


「お久しぶりです。シロー様」


「なんや、少し太ったんとちゃいますか?」


「シロー様に来て頂いて、安心しました」


「3人共、ここがもう少し落ち着いたら、一時帰還命令が出るからね」


「えー」


「えー」


「そうなん?」


「今度は無視せず従うように」


「……」


「返事は?」


「はーい」×3


「じゃあ、僕はラインハルト君やミラー将軍と話があるから」


「えー、もう行ってしまうん?」


「また、後でゆっくり話そう」



「ロベルト様からシロー様になって良かったなぁ」


 テレサがストレートに言った。


「そうだな」


「ロベルト様、雰囲気が重すぎですからね」


「だが、此度の戦いの功労者だ。指揮官らしき活躍はしておられる」


「そうですけど」



 そこへ3馬鹿がやってきた。


「何のお話ですか?」


 と、ギルバート。


「重傷のロベルト将軍の代わりにシロー将軍が来たから、その話」


「シロー様ですか?是非、一度お会いしたいと思っていました。


「ギルバートはシロー様のことを気に入っているのね」


「攻守のバランスの取れた名将ですから」


「それでは、後が楽しみだな」


「はい、楽しみです」


「でも、シローって“おつかいシロー”のことだろ?」


 言ったのはケイジ。


「確かに、そういう異名もあるな」


 フビジが笑った。


「おつかい将軍?」


 フィリップが首をかしげた。


「家政婦が休みの時はシロー様がおつかいに行かされるのよ」


 マリーも笑っていた。


「寛大な御心、尊敬に値します」


 ギルバートだけは好意的だ。


「単に奥様の尻に敷かれているだけでしょうけど」


「いやいや、家庭を愛するが故に出来ることなのでしょう」


「ほんなら、あんたもそんな風になってもええんか?」


「え?いや、それは…」


「将軍自らのおつかいやで。店の人も恐縮するやろうなぁ」


「……」


 ギルバートは黙った。


「それはそうと、ギルバート」


 フビジが話題を変えた。


「なんでしょう?」


「最近、フィリップから魔法を教わっているらしいな」


「はい!そうなんです」


「どのくらい出来る様になったんだ」


「見てください、この火の魔法」


 ギルバートが両手のひらの間に、ゴルフボールくらいの火球をつくった。


「どうですか?」


 皆、手のひらの間にバスケットボールくらいの火球を軽々と作って見せた。


「えー?」


「えー?と言われても…」


「初歩ですからね」


「待てよケイジ、どうしてお前まで出来るんだよ」


「初歩だからな」


「ずるいぞ、“自分は剣で勝負する”って言ってたじゃないか」


「だから、実戦では防御魔法以外は使っていないだろう」


 ギルバートは赤っ恥をかいた。

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