セカンド ファンタジー (第4章 第39話)
姉妹。
「あ!マリーや-!!久しぶりやなぁ」
「私も中に入るわよ」
「どうぞ。お茶を淹れるわ」
フビジが立った。
「はーい。失礼します」
マリーはフビジの席の隣に座る。
「私の横には来んのかいな」
「今日はテレサと対面で話したいの」
ちなみに、テレサとマリーは同い年だ。
「紅茶だ」
フビジはマリーの前にカップを置いて自分の席に座った。
「相変わらずね、その訛り」
「これは、お父様の真似をしてたからや」
「まあ、自分のことを“ウチ”ではなく“私”というようになっただけマシだけど」
「そうやで。王族としての努力はしてるんやで」
「でも、変わっていないからこそ安心したわ」
「マリーはいつも手厳しいなぁ」
「そうかしら?」
「そうや」
「お父様がいけないのね。普段は訛っているから」
「そやそや、お父様がアカンねん」
「まあ、姉妹が元気に会えたのだ。良かったではないか」
フビジが割って入った。
「テレサ、元気よね」
「私は元気だけが取り柄やからな。とはいえ、多くの部下を死なせたことはツライんやで」
「悲惨な戦いだったからね」
「悲惨やない戦争なんて無いけどな」
テレサの言葉で、少しの間、沈黙が流れた。
「テレサは恋バナをしたいらしい」
沈黙を破ったのはフビジだった。
「そうなの?」
「そうや!マリーも正直に話さなアカンで」
「でも、私、今はまだ恋をしていないから」
「ケイジと親しいらしいやんか」
「親しい?まあ、私の隊の補佐役だからな。戦闘では私が補佐をしているけど」
「愛や!それは愛や」
「絶対に違う!」
「そんなに力一杯否定せんでもええのに」
「断固、否定するわ」
「でも、ケイジの看病をしてたって評判やで」
「私のせいで負傷したようなものだからよ」
「そこに愛はないんか?」
「無いわよ」
「本人が気付いてないだけで愛情が湧いてるんちゃうか?」
「戦友よ。友情みたいなものよ」
「残念。やっと恋バナが聞けると思ったのに」
「どうして、レベッカ様もアヤメ様もあなたも恋バナがしたいの?」
「お年頃やからや」
「私は全く興味がありません」
「そうなんや」
「テレサはどうなのよ?」
「え?」
「好きな人、いるの?」
「おらん…」
「これだけ沢山の男がいるのに?」
「おらん…」
「ラインハルト様は?」
「私、あの人は苦手や」
「ちなみに私も興味が無い。悪いな、テレサ」
「お姉様まで…ほな、ええわ」
「話題を変えましょう」
「ほな、ホヨウの話を聞かせてーや」
「いいとも。ホヨウは広いぞー。王都は賑やかで…」
3人はホヨウの話で盛り上がった。
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