表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【祝! 107000PV突破】ファースト ファンタジー  作者: 崔梨遙
第7章 セカンド ファンタジー フビジの冒険
327/375

セカンド ファンタジー (第4章 第37話)

テレサとフィリップ。


 フィリップが歩いていると、テレサと顔を合わせた。


「お疲れ様です、テレサ様」


「お疲れ様ー!。なんか上機嫌みたいやな。せやけど、私のことを呼ぶのに“様”はいらんよ」


「いえいえ、国王陛下のお嬢様ですから」


「ここの隊員も、みんなテレサって呼んでくれるんやで。まあ、部下が出来て部下に“様”と呼ばれるのは仕方ないけどな…」


「やっぱり階級の下の者は“様”をつけるんじゃないですか」


「ほな、聞くけど、あんたに階級はあるんか?」


「…無いです」


「そやろ?お姉様の私兵やもんなぁ」


「そうですね。そもそも軍属ではありません」


「せやから、あんたには私のことテレサって呼び捨てにしてほしいねん」


「呼び捨てはちょっと…では、“テレサさん”でいいですか?」


「“さん”かぁ…まあ、ええわ」


「じゃあ、そういうことで」


 フィリップが退散しそうになるのをテレサが止めた。


「ちょい待ち!」


「なんでしょう?」


「私のテントにおいでーや。お姉様のこととか聞きたいねん」


「はあ…」


 フィリップは手を引っ張られてテレサのテントまで連れていかれた。



「お話というのは何でしょう?」


「ちょっと待って、紅茶を淹れるから」


「……」


 やがてフィリップの目の前にティーカップが出された。


「ずっと東部戦線にいるから退屈しとったんや」


「そうだったんですか」


「さっきはどないしたん?お姉様のテントから出て来たみたいやったけど」


「あ、気付きましたか?」


「夜這いか?」


「そんなことしたら斬られちゃいますよ」


「ちゃうんか?なんや、おもろないなぁ」


「好意は抱いていますけどね」


「お姉様に惚れてんのか?」


「さあ、どうなんでしょう」


「大事なところをはぐらかすんやな」


「まあ、いいじゃないですか」


「ほな、お姉様の所に何をしにいってたん?」


「お給料をもらいに行ってたんです」


「戦争の真っ最中にそんなことしてたんや」


「戦争の真っ最中だからこそです」


「なるほど。そういう考え方もあるんやな」


「そもそも、私は私兵なので王都で留守番をしていても良かったんです」


「そう言えばそうやな。なんで来たん?」


「戦場はお金の臭いがしますので」


「わかりやすいなぁ」


「わかりにくいよりいいでしょう?」


「せやけど、なんでそんなに“お金”“お金”って言うんや?」


「お金がほしいからに決まっているでしょう」


「何に使うんや?」


「さて、何に使うでしょうか?」


「高価な物がほしんか?」


「いやいや、もしかしたら都で酒池肉林の大騒ぎをするのかもしれませんよ」


「なんやそれ。まあ、話したくないならええわ」


 そこでフィリップが笑った。


「なんや?急に」


「いや、やはり姉妹だなぁと思って」


「お姉様と私が似てるんか?」


「ええ。詮索しなくてアッサリしているところが」


「そうかな?そうなんかな?」


「だから私のような流れ者にとっては居心地が良いのです」


 ★メッセージ、コメント、評価、感想、レビュー、ブックマーク等よろしくお願いいたします★

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ