6.エランの日常③
上司との食事(飲み会)。
モンブランの出現で、僕とフーは立ち上がって敬礼した。
「勿論です。ご着席ください」
「勤務時間外だ。堅苦しいのは抜きだ。座れ」
「はい」
「失礼します」
「留守番役の俺のところにまで、お前達の評判は届いているぜ」
「どのような評判でしょうか?」
「腕の立つのが2人も入ったってな」
「私どもは、評判になるにはまだまだ未熟ですが」
「まあ、自信は持てばいい」
「ありがとうございます」
「俺はいつも留守番の将軍だから退屈でなぁ、噂話は退屈しのぎになる」
「何故、いつも留守居役なのでしょうか?」
「エランの筆頭将軍はリーだ。次に俺。その次がシュウだ」
「さようでございましたか」
「リーとシュウがソフィア様の護衛をするから、必然的に俺が留守番になる」
「リー隊長とシュウ副隊長は、何故、将軍になってまで護衛役に徹するのでしょうか?」
「プライベートな話だから本人に聞いてくれ」
「失礼しました」
「ちなみにリーと俺が1万騎を率いている。シュウは5千人将だ。今回の昇進でシュウも将軍になったがな」
「ソフィア様の一存で昇進できるのですね」
「できる!国王と3王女なら可能だ。一応、国王様の承認が必要だけどな。しかし大義名分は必要だ。今回は、ソフィア様の直轄では昇進が遅れるからフォローするということだったな」
「そこまで私どもの考えてくださっているんですね」
「そうだな、忠誠を尽くしたくなる立派な王女様だ」
「そうですね」
「だが、今回で昇進したので当分は昇進も難しいだろうな」
「そうなんですか」
「昇進させる理由が無いからな。田舎の方でちょこちょこモンスターや山賊を退治しても難しいな」
「私は昇進よりも安心と安全を愛しますけどね」
と、フーが言った。
「みんながお前みたいな奴ばっかりだったら平和なんだけどな」
「私は、平和を愛していますから」
その晩、僕たちは3人で飲み明かした。
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