6.エランの日常②
エランでの日常。友人と夕食。
勤務が終わるとフーが待っていた。フーは今日は非番のはずだ。
「僕を待っていたのか?
「ああ、飲みに行こうぜ」
「それはいいが、ラン様との訓練はいいのか?」
フーは入隊してからずっとランと訓練をしていた。引き分けたのが、ランにはどうしても納得がいかないらしい。
「ここにいたか」
薙刀を持ったランが現れた。
「今日も訓練だ。いや、レンを審判にして試合をしよう」
「新参者と引き分けというのが、どうも気にくわない。しかも、お前は全力を出していないだろう」
レイラといい、どうして護衛兵の女性は勝ち負けにこだわるのだろうか。もしくは、僕たちがこだわらな過ぎるのだろうか?
「フー、決まりだな」
「ラン様、もう許してくださいよ」
「お前が本気を見せてくれたら許す。お前はいつも手を抜くからな」
「わかりました」
訓練場で、フーが言った。
「本気を出したら、もう許してくれますか?」
「ああ、来い」
ランが言うと、フーが飛んだ。跳んだのではなく飛んだ。一撃を加える。ランが薙刀でしのいだ。
フーは宙に浮いたまま闘い続けた。ランが距離を取った。追いかけるフーは早い。突風のようだった。
フーが飛来してくる。ランが受ける。ランが反撃する前にフーは舞い上がる。
「私は風を使うだけではなく、風になれるのです」
フーが言った。
「私の負けだ」
ランが負けを認めた。ランは唇を噛みしめながら訓練場を去って行った。
フーは地に降りて言った。
「レン、飲みに行こうぜ」
居酒屋で飲んでいると、声がした。
「同席していいか?」
振り向くと、モンブラン将軍が立っていた。。
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