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1.卒業試験③

卒業試験もクライマックス。

 卒業試験、本戦トーナメント2回線レンVSラバー。


 やっぱり僕はついていない。嫌な奴と当たってしまった。ラバーは重戦車と呼ばれていて重装備の大男だった。分厚い甲冑で、剣がはじき返される。おまけに怪力だ。大きな斧を自由自在に扱う。


「双方、開始線へ」

 僕たちは開始線で待機した。きっと、観客には大人と子供くらい違うように見えているだろう。

「構え」

ラバーだけが構えた。

「はじめ」  


 少しの間、お互いに動かなかった。考える時間が出来て良かった。僕の方から動いた。


 全速で接近。僕は高速剣士だ。あっという間に敵の懐に飛び込めた。後は甲冑の繋ぎ目だけを狙って連撃した。甲冑の繋ぎ目から血を吹くラバー。そのまま倒れると思ったら、斧で薙ぎ払った。慌てて距離をとったが、左足に激痛が走った。その一撃がラバーの最後、ラバーはその場に崩れた。


「勝者、レン」

 僕は左足負傷のため、保健室に運ばれた。回復魔法をかけてもらう。

「レン君、この左足は治るけど、次の試合までに治すのは無理だから」

看護師さんにはそう言われたが、

「次の試合、出ますから」

と、僕は言った。


 観客席へ戻ると、ライ、ロウ、シローが待っていてくれていた。

「片足を負傷したのは、ついてなかったな」

「勝って良かった」

「まだ4人共負けていないからな」

「僕は、もうそろそろアカンかもしれへんで」

 僕が言うと、皆、真剣な表情になった。

「片足引きずってたら、このトーナメントを勝ち抜くのは難しいやろう」

「やれるところまでやろうぜ」

「勿論、限界までやる」

話ながらも、僕は左足が痛くて仕方なかった。


「ベスト16か…」

「こんなところで満足するなよ」

「僕は満足やで」

「レン、もっと“やる気”と“実力”を出せ」

 ベスト16で満足している僕にライが言った。

「お前は、5年前に入学してから1度も本気を出したことがなかっただろう」

「そうかな?」

「そうだよ」

「最後くらい、全力でやれよ」

「わかった。全力でやるわ。相手が相手やし」

「次の相手は?」

「シンヤ」

「お前の天敵か?」

「こいつは必ずぶっ潰す」

「おい、出番だぞ」

ロウに言われて、僕は立ち上がった。


「3回戦、レンVSシンヤ」

僕たちはステージに上がった。

「開始線」

「構え」

「はじめ」

 シンヤは黒魔法使いだ。僕は入学以来、ずっとシンヤが嫌いだった。シンヤが誰もいない教室で盗みをはたらいていたことを僕は知っている。しかも、自分勝手。自分が悪くても他人のせい。当然、仲間はずれになったけれど、独学で黒魔法の研究をするようになって余計に嫌いになった。死体を操る魔法が得意だが、死体を操るのは死者に対する冒涜だ。

 入学当初、何をやっても僕の方が勝っていた。5年間で僕を超えようとしていた。実に気に入らない。そもそも、士官学校への編入が決まっていることが気に入らない。


 僕はしばらく様子を見ていた。まだ動いてはいけないという勘がした。

 結果、シンヤの呪術を完成する時間を与えてしまった。しまった、先に仕掛ければ良かった。


 人間だったものが現れた。あちこち腐っていて骨も見えるが人間だ。人間の死体だった。それが、2体、3体、4体、5体…。どんどん増えてくる。


 僕は1番近くにいた1体の腕を、大剣で肩から斬り落とした。“それ”は変わりなく迫ってくる。今度は、頭から真っ二つに切り捨てた。ようやく動きがとまった。

 そうこうしている内に、“それ”が増えていく。


「白骨死体やったらアカンのかい?」

「筋肉が残ってないと動かないんだよ。お見苦しくて悪いね」


 僕は“それ”に囲まれてしまった。勿論、通常であればそんなことにならない。左足が痛くてスピードダウンしているからだ。


 大剣を奪い取られてしまった。“それ”の力は人間の域を超えている。


 僕は、“それ”達の間をかいくぐってシンヤに迫った。


「いくら君の格闘センスが良いと言っても、この状況なら僕に分があるよ」

「うるせー!お前にだけは負けへんわい。必殺技の一つを見せたるわい」

「何?」

 僕はシンヤを捕まえた。

「秘技!自爆!!」


 大爆発。


 救護班が回復魔法を使ってくれることが、わかっているからこそのからこその自爆だった。



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