セカンド ファンタジー (第3章 第19話)
急襲。
出て来た傭兵は手練れ揃いだった。
珍しくフビジの高速剣を受け止められる者がいた。
フビジは少なからず驚いた。
「やるな」
「剣だけで生きているからな」
「だが、ここは押し通る」
フビジが珍しく連撃を繰り出す。
だが、ことごとく受け止められた。
「速いな」
「俺もスピード派剣士なんだ」
「だが、私の方が速い」
高速で踏み込むフビジの連撃が止められる。
だが、相手は打ち込んで来ない。
相手が受けるので精一杯だということだ。
“勝てる!”
と思ったときに相手が退いた。
「負けた!」
「なんだと?」
「いただいた金の分だけは働いた。俺はもう逃げる」
相手は逃げた。
戦闘中なのにフビジは一瞬呆れて動きが止まった。
動きが止まったところを狙って斬り込んできた兵士は一太刀で倒した。
フビジがしばらく1人の相手に手こずっている間、キュウ、ツバキ、ツバメも奮戦していた。
明らかに手練れ揃いの多数を相手に一歩も退かない闘いを繰り広げていた。
時間が経った。
騎馬を相手にしていた仲間達が次々と駆けつけてくる。
時間が経つほどにフビジ達は有利になっていった。
「お姉様、遅くなりました」
「マリー、無事で何より」
「遅くなっちまってすみません」
「ケイジか、無理はするな」
「やっとここまで来られました」
「ギルバート、自分の命を優先していいぞ」
「真打ちは遅れて登場」
「フィリップ、相変わらず飄々としているな」
「さっきの騎馬隊は片付いたのか?」
「30騎程いましたが、半分くらい倒したら残りは逃げていなくなりました」
「流石に傭兵だな。いただいた金の分しか働かないか」
「そのようじゃのう」
「アヤメ様、くれぐれもお怪我の無いように」
と、言っている間にいつの間にか敵兵がいなくなった。
皆、逃げたようだ。
「館の中に入るぞ」
3階建ての館。
傭兵がいなくなって静かになっていた。
最上階の広間に十名程度の男達がいた。
一目でわかる貴族の服装だった。
ドアを開けて踏み込むと皆おとなしく両手を挙げた。
「降参か?」
「ああ、抵抗はしない」
「この者達を縛れ」
ツバキやツバメが反乱の首謀者達を拘束していく。
皆、疲れたような顔をしていて無抵抗だった。
「私はキヨマサの娘、アヤメじゃ」
アヤメが一歩前に出た。
「どうして反乱など起こしたのじゃ?どうして血を流したのじゃ?」
「貴様、キヨマサの…?」
「そうじゃ。アヤメじゃ」
「お前がキヨマサの娘か?」
「そうじゃ。何の不満があって乱を起こした?」
「お前達が憎いからに決まっているだろう!」
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