セカンド ファンタジー (第2章 第4話)
追いかける男達。
フビジは店の主人についていった。
店の主人がノックする。
「フビジ様をお連れしました」
「中へ」
「フビジ様、中へどうぞ」
「失礼します」
中へ入ると数人の男達がいた。
「あ、さっきの誘拐犯だな」
「フビジ様、あなたはカルデアの国王様のご息女のフビジ様ですか?」
「よくご存じですね」
「本物のフビジ様なら赤い宝玉をお持ちかと」
「これですか?」
フビジはペンダントを見せた。
「失礼しました。間違いなくフビジ様です」
「わかっていただけたらいいです」
「旅に出ていると聞いております」
「ええ、まあ。旅をしてここに来ました」
「誤解しないでください、強制的に故郷へ送り返したりはいたしません」
「助かります」
「今、アヤメ様とご一緒ですね」
「はい」
「アヤメ様はこのホヨウの領主、キヨマサ様のご令嬢です」
「そうでしたか。高貴な家庭だとは思いましたが」
「アヤメ様は度々お屋敷を抜け出して困っております」
「毎回、街中を捜索しているのですか?」
「そうです。大人数では騒ぎになるので毎回大変なんです」
「それで、私にどうしろと?」
「とりあえずアヤメ様をこのまま保護してください」
「それは構いませんが」
「それから、ご自分のお立場をわからせてほしいのです」
「どういうことですか?」
「家出しなくなるように説得していただきたいのです」
「難しいと思います」
「難しいですか?」
「私自身が家出していますからね」
「それはそうですが」
「家出している人間から“家出をするな”と言われても説得力は無いでしょう」
「いえ、フビジ様はご自分の立場や責務をよく理解していらっしゃる」
「そうでしょうか?」
「ダメなら私達がまた連れ帰ります。ですが、それでは同じ事の繰り返しのような気がするのです」
「なるほど」
「お願いします」
「無理かもしれませんが、やれるだけやってみましょう」
「ありがとうございます」
「期待はしないでください」
「では、宿泊はこの地図にある春夏秋冬という旅館をお使いください」
「わかりました」
「すみません、春夏秋冬にいてくださればこちらも監視しやすいですので」
「わかりました」
「春夏秋冬には何泊しても構いません」
「ありがとうございます」
「アヤメ様はカルデアに行きたがっていますが、それは避けてください」
「今もカルデアについて根掘り葉掘り質問されています」
「お姫様とお姫様でしたら、話も合うのではないかと期待しています」
「ところで、あなた達は?」
「申し遅れました。私はハンベーと申します」
「では、席へ戻ります」
「はい、よろしくお願いします」
フビジは席に戻った。
「何事ですか?お姉様」
「ああ、たいしたことはない」
「こんな旅先で、誰…」
「後で話す」
フビジ達はゆっくり食事をしてから春夏秋冬へ移動した。
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