セカンド ファンタジー (第1章 第18話)
マリーの初陣&フビジの指揮。
「ここらでいいだろう。打ち合わせ通り布陣するぞ」
フビジ達は緩やかな谷間で持ち場に移った。
敵はここを通らざるおえない。
敵が来た。狭い谷間なので1万の軍勢も縦長で長細く行軍する。
「ケイジ隊、行け!」
敵勢の半ば近くが通り過ぎようとしたところでケイジの一隊3百人が谷を駆け下りた。
敵を前と後ろに分断する。
「ギルバート隊、行け!」
敵勢の中軍と後軍の間にギルバートの3百人が斬り込んだ。後方でも敵を分断した。
これで中央が孤立した。
そこへフビジやマリー達の本隊が中軍に突入した。
「急げ!長くはもたんぞ。早く敵の大将を探せ」
「これは時間との戦いなんだ」
フビジの前に大男が立ち塞がった。
「お前がこの軍の大将か?」
「いや、千人長のグヒヒだ」
「お前に用は無い」
「はい、お姉様!ここは私が!!」
マリーが来た。
「任せても大丈夫か?」
「大丈夫です、お姉様は大将を探してください」
「無理はするな」
「はい!」
やがて一際豪奢な甲冑の男をフビジは見つけた。
「この隊の大将か?」
「いかにも」
「では、命を貰おう」
「我はオム、そなたは?」
「フビジだ」
「女か?」
「女だ」
「やめておけ」
「やめない」
フビジは馬から降りた。
「女は斬りたくない。いや、斬らずに捕らえて弄ぶか…」
フビジがオムの馬の首を斬った。
馬が転倒した。
「何をするか」
「お互い地上で闘いたいと思ってな」
「儂の愛馬を…殺してやる」
「やってみろ」
オムが剣を抜こうとした。
そこでフビジが一気に間合いを詰めた。得意の抜刀術でオムを袈裟斬りにした。
迷わず首をはねる。
「敵将オム、討ち取った!」
味方からの歓声、敵からの悲鳴。敵はバラバラに散っていった。
「お姉様、私も千人長のグヒヒを倒しました」
マリーはグヒヒの首をぶらさげて帰って来た。
「無事で良かった。よくやったな、偉いぞ」
「はい、頑張りました。これが私の仕事ですから」
真面目な顔でマリーが言った。
ギルバートやケイジが寄ってきた。
「作戦成功だな」
ケイジも首をぶら下げていた。
「それは?」
「敵の千人長。猪突猛進していたら目の前に立ち塞がったから斬った」
ギルバートも首をぶら下げていた。
「それは?」
「後方にいた千人長です。今回は倒せました」
「完全な勝利だな」
「うおー!」
ケイジが、ギルバートが、隊員が叫んだ。
「お姉様、良い作戦でしたね」
「ああ、父と同じ作戦なんだ」
「そうだったんですか?」
「そうだ、父もこのやり方で多勢に勝ってきた」
「なるほど、これからどうしますか?」
「城の兵と合流する」
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