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4.風向き⑥

火事の後で皆が思うこと。

 僕たち4人は、ソフィアのテントに招かれた。


「今日はありがとう、感謝しています」

「勿体なきお言葉、ですが我々で無くても必ずやソフィア様をお守りしていたでしょう」

 シュウが答えた。

「それでも、助けてもらえて感謝しているのです。お礼を言います」

「はっ、勿体なきお言葉をありがとうございます」

「特にレン」

「はい」

「“抱っこ”されたときは驚きましたよ」

「申し訳ありません」

「いえいえ、頼もしいですね」

「レイラ、入隊してからのレンはどうですか?」

「最初は疎ましく思いましたが、今では大切な仲間だと思っております」

「そうですか、それは良かったです」

 何故かソフィアは上機嫌だった。 


「さっきリーと話していたのですが、今回、このようなことが起きましたので力強く信頼できる仲間をもっと増やしたいと思っています」

「護衛を増やしますか?」

「以前から増員の話はあったのです。今回は良い機会だと思いました」

「増員、忠誠心と実力が必要ですね」

「そうですね、今は100人の兵士よりも1人の信頼できる人材がほしいですね。難しいことはわかっていますが。元々、姉たちと比べても私は護衛兵と親衛隊の人数が少ないのです。増員するように姉や父王からも増員をすすめられていました」

「どうして親衛隊員と護衛兵が少ないのでしょうか?」

「この国が平和だからです。それに、護衛隊や親衛隊に入るとなかなか武勲に恵まれません。護衛兵や親衛隊員に申し訳ないという気持ちもありました」

「ソフィア様の御結論でしたら、人材補充のために各地をまわっても構いませんが」

「私も同行したいのです」

「それは危険では無いでしょうか?」

「私が“信頼できるか?”の判断をしたいのです」

「それでしたら、私どもはソフィア様に追従します」

「それから、この先で山賊が出るらしいです」

「さようでございますか」

「居城に帰る前に退治しましょう。どうせ帰り道ですし。民も安心するでしょう」

「承知しました」

「今後もよろしく頼みますよ」

「はい」

 ソフィアのテントから出ると、リーが待っていた。

「ソフィア様から話は聞いたな?」

「山賊退治と人材探しだろ?」

 と、シュウ。

「おもしろくなってきたな」

「私は、第2王女よりも強大な戦力がほしいと思っている」

「レイラは第2王女を目の敵にしていますね」

と、ユーリ。

「我々は、もっと強くならなければならない」

リーが言った。



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