セカンド ファンタジー (第1章 第3話)
乱戦。
かろうじて、フビジだけがガリアの一連の動作を理解できていた。
”ガリアはクラークに気がついてた! 素知らぬ顔をしてたのはクラークに誘いをかけてたからだ。そして、ガリアはクラークの剣を受けることなく、それを上回る速さで首を刎ねた。……こいつ、できる!”
敵方の歓声はすぐさま味方の動揺を生んだ。
いけない。
このままでは浮足立った者から次々とやられていってしまうだろう。今すぐに、敵の勢いを削らなければならない。そのための最も効果的な方法は――同じである。
ガリアを討つ!
早急にガリアのもとへと移動する。そう試みたフビジであったが、敵もそれがわかっているのか、中々に妨害が激しい。
「クソッ、どけ! 邪魔だ!」
眼前の歩兵を次々と薙ぎ払うフビジであったが、焦りのためか本来の実力が出せていない。どうしても前に進むことができずに苦しんでいた。
そうしている間に、ガリアが次の狙いを定めた。
浮足立った味方を必死に鎮めようとしていた百人長である。
突進。
一瞬で移動したのではないかという凄まじい速さで、ガリアが百人長の前に立つ。
振り下ろされる大剣。
どうにか防ぐことができた百人長だが、勢いを殺すことができずに馬ごと吹き飛ばされてしまった。
実力差は明らかである。
それでも、百人長は己が使命をまっとうするべく、果敢にもガリアへと挑んでいった。
渾身の一撃。
それを悠々とガリアは受け止める。馬どころか、大剣を支える腕さえ微動だにしていない。
百人長の顔は歪み、次いで死を覚悟したかのように晴れやかなものとなった。
どうせ命がないのならば――そう言わんばかりに、百人長はがむしゃらに剣を振っていく。それを難なく弾き返しながら……なんと、ガリアは笑っていた。
「愉快、愉快! 実に愉快だ。弱者をいたぶるというのはどうしてこうも楽しいのだろうな?」
醜悪な笑みである。
ついに、百人長の手にしていた剣が吹き飛ばされる。もはや、抵抗に必要な得物さえ失った百人長は目をつむった。
だが、ガリアは殺さない。次の瞬間、ガリアの腰にあったもう一本の剣を投げて寄越したのである。
「どうした、坊や? まだ、終わりじゃないぞ。ガハハハハ!」
文字どおり、決死の覚悟さえもガリアは嘲笑ったのだ。
「貴様ぁああああ!」
遠くで、フビジが吠えた。
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