セカンド ファンタジー (第1章 第1話)
伝説は始まる。
王宮の中庭で女の子が佇んでいる。
誰かを待っているのかもしれない。
春風が吹いた。
女の子は振り向いた。
仮面の剣士が歩いてくる。
「フビジ」
女の子が仮面の剣士に近寄る。
「レベッカ姉様」
仮面の剣士が仮面を取った。腫れ物と皮膚炎が目立つ。
「フビジ、最近は遊んでくれないのね」
「そうでしょうか?」
「剣のお稽古ばかりじゃない」
「私の母はソフィア様の護衛隊長。私はレベッカ姉様の護衛隊長になるつもりですから」
「まだまだ先の話じゃない」
「剣の稽古に熱中してしまいました。すみません」
「私達はずっと一緒だったじゃない」
「そうですね」
「あ、そうそう」
「なんでしょうか?」
「今度戦が始まったら戦場に行くの?」
「シュウ様から聞いたんですか?」
「ええ、それで心配なの」
「私なら大丈夫です」
「危ないわ」
「無事に帰って来ると約束します」
「行かないとは言ってくれないのね」
「ごめんなさい」
「16歳で初陣は早すぎるわ」
「いえ、お父様も学徒出陣で16歳での初陣でした」
「頑固ね」
「ごめんなさい」
「あなたにかけられた呪いは私達が必ず解くわ」
「ありがとうございます」
「女としての幸せを見つけようと思わないの?」
「この額と肌ですから」
「だから一生懸命になって剣を学ぶの?」
「それもあります」
「他にもあるの?」
「お姉様は幼い頃の約束を覚えていますか?」
「もちろんよ。“お姉様は私が守る”でしょう?」
「ですから、レベッカ姉様を自分の手でお守りしたいのです」
「気持ちは嬉しいけど無理はしないでね。約束なんて気にしなくていいから」
「わかりました」
「そうそう、お菓子を焼いたの。食べましょう」
「はい」
フビジはまた仮面を被った。
「どうして仮面を被るの?」
「王宮内に入りますから」
「必要無いと思うけど」
「この方が気楽です」
「あなたがその方がいいのなら何も言わないけど」
「じゃあ、仮面を被らせてください」
「好きにするといいわ」
「はい」
「じゃあ、行きましょう。そして楽しくお話しましょう」
レベッカの自室。
「どう?」
「美味しいです」
「良かった」
「私は料理が苦手なので姉様を尊敬します」
「子供の頃から一緒にお料理してたじゃないの」
「懐かしいですね」
「フビジには好きな人はいないの?」
「いませんが」
「好きな人が出来たら手料理を振る舞うといいのよ」
「そうですか」
「私達の両親は恋愛結婚を許してくれているわ」
「そうですね」
「早く素敵な恋がしたい」
「そうですね」
フビジにとってレベッカと過ごす時間は大切なものであり、この時間もフビジの心に安らぎを与えるものとなった。
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