22.聖戦⑩
話し合い。
「さあ、私のために戦いなさい」
「わかりました」
クロウが聖剣を抜いた。
「落雷」
屋内で雷が起こった。
こちらは全員防御。
ソフィアとリーとシュウとランはサラとミーとシーが守った。僕達は聖剣の力で自分を守った。宮殿が揺れるほどの衝撃だった。
「無茶をするなよ」
「勝つためには何でもする」
「敗北を認めろ」
「人数だけで勝ったつもりか?俺達は負けない」
クロウが聖剣魔法を連発してきた。
かまいたち、竜巻、火炎…。僕等は結果的に防戦一方だった。
クロウは疲れない。
なんと、ベアトリーチェが魔法でクロウを回復させていた。
「先にベアトリーチェを倒さないといけない」
「それしかないのか」
「お姉様」
「何よ」
「本当に戦うしかないのですか?」
「あなたが降伏してくれるの?」
「それは出来ません」
「なら戦うしかないじゃないの」
「私は戦いたくありません」
「じゃあ、その聖剣を渡しなさい」
「渡したら降伏してくれますか?」
「しないわ。ただ、その聖剣が欲しいだけ」
「では、渡せません」
「そういうところも気に入らないのよ」
「?」
「何故その剣を父からもらえたの?」
「わかりません」
「父は私にはくれなかった、私は気に入られてなかったのよ」
「そんなことは」
「だから私も父が嫌いだった。だからエリザベスと一緒に殺したのよ」
「なんとむごいことを」
「私の母は平民出身だった、だからいろいろ差別されてきた。私の気持ちなんてあなたにはわからないわよ」
「私達は姉妹です。わかりあえるはずです」
「わかりあえると思っているところも気に入らないのよ」
「お姉様」
「もういいわ、あなたも死になさい」
クロウが剣を構えた。
その時、僕がベアトリーチェを後ろから刺した。
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