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4.風向き③

 いざ、エラン地方へ。

「皆、準備はいいか?」

 リーの言葉に皆が頷く。

「では、エラン地方のソフィア様の居城に帰還する。全員、前へ進め」

側近護衛兵13名とソフィア直属の親衛隊300人が行軍を始めた。


 王女が300人ほどの護衛しか連れず馬に乗っていることだけでも、この国の治安の良さがわかる。


「エランに行くのは初めてか?」

 シュウが声をかけてきた。

「はい」

「王都には劣るが良いところだ。きっとお前も気に入るだろう」

「それは楽しみです」

「シュウ、レン、私語は慎め」

 リーの言葉に、

「警備に支障の無い範囲でしたら、少しくらいの私語はいいでしょう」

 馬車から顔を出したソフィアが笑った。ソフィアは機嫌が良いようだ。王宮にいるよりエランの方が気楽なのだろう。

「ソフィア様がそうおっしゃるなら」


「でもな。1つ面倒くさいことがあるんだ」

 シュウの言葉に、

「面倒くさいことって何ですか?」

「オリヴェルっていう豪族の豚野郎がいるんだがな」

「はい」

「そいつは高級ホテルを経営しているんだが」

「はい」

「そこで1泊しないといけないんだ」

「なんでですか?」

「ソフィア様をお招きしているのさ」

「そうなんですか」

「有力な豪族なので断りにくいからな」

「そんなに豚野郎なんですか?」

「ユリウスより少しマシなだけ」

「相当なものですね」

「そうだ。オリヴェルもソフィア様の結婚の際のために機嫌をとっているんだ」

「嫌な感じですね」

「そうだな」


 王宮からエランの城までちょうど三日間の行程、そこが王宮からエラン城の中間あたり。オリヴェルのホテル(館)があった。シュウが言っていた通り、ここで1泊することになった。

 

 ソフィアは大歓迎された。


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