22.内戦⑥
激闘。
僕は再び高速剣撃を始めた。
少しでも速くと、僕は手を休めることなく動いた。
でも、ダメだった。全てクロウの剣に防ぎきられた。
「隊長!」
そこへシーが飛んで来た。
「大丈夫ですか?」
「来るな、城外へ戻れ」
「隊長が心配で来たのですが」
「今は戦闘中だ、巻き込まれる前に逃げろ」
「隊長、怪我をしているじゃないですか」
「僕は大丈夫だ」
「回復魔法は?」
「まだ大丈夫だ、逃げてくれ」
「城門は開けますか?」
「まだだ!こいつを倒さないと何人いてもやられてしまう」
「邪魔だな」
クロウが言った。
「逃げろ!」
クロウの一振りでまた大きな“かまいたち”が発生した。
周囲のものを風が斬り裂く。シーはドラゴンの陰になっていたのでなんとか助かったようだ。
“かまいたち”はドラゴンには効かないようだ。
「大丈夫か?」
「大丈夫です」
「城門でモンスターを殲滅しておいてくれ」
「わかりました」
「そろそろわかったか?」
「何をだ?」
「俺がお前の剣を払ってるんじゃない。この剣が勝手にお前の剣を受けているんだ」
「僕がいくら高速で攻撃しても無駄ということか」
「そうだ。だが、俺の“かまいたち”はドラゴンには効かないんだな」
「そのようだな」
「ミニドラゴンには効くんだが、残念だ」
「おあいにくさま」
「とはいえ、俺の有利は変わらん、どうする?」
「……」
僕は考えた。どうすれば現状を打破できるだろうか?思いつかない。冷や汗が出る。
そこへシローがドラゴンで飛んできた。
「時間がかかっているな」
「シロー、こいつの剣は不思議な力をもっている」
「聖剣か?」
「そうだ、巻き込まれる前に逃げろ」
「大丈夫だ。聖剣なら俺も持っている」
「うるせー!」
クロウが剣を一振りした。
巻き起こった“かまいたち”をシローが剣の一振りで防いだ。
シローの剣からも“かまいたち”が巻き起こり、2つのかまいたちが相殺された。
「レン、2人がかりでやろう」
「頼む」
「これは流石に俺が不利だな」
クロウはまだ笑っていた。
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